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中国電力など3社 玉島発電所で自律飛行型ドローンによるタンク巡視点検実証を開始

中国電力株式会社、中電工業株式会社、KDDIスマートドローン株式会社は、岡山県倉敷市にある中国電力玉島発電所において、自律飛行型ドローンを活用した燃料油タンク(重油と原油タンク)の巡視点検の実証を開始した。

従来は運転員が目視で行っていた点検作業をドローンによる自動撮影に置き換えることで、保安力の向上や業務効率化、高所作業に伴う安全リスクの低減を目指す。実証期間は2026年度末までを計画している。

実証実験の背景と狙い

火力発電所では安定運転の確保に向けて運転員による日常的な巡視点検が行われているが、多大な時間と人的資本を要するほか、電気保安分野の人材確保や設備の高経年化が課題となっている。

こうした背景からDX推進の一環として点検のスマート化が求められており、今回の取り組みでは運転員の現場立ち会いを減らし、転倒や熱中症といった安全上のリスク低減を図る。あわせて、異常兆候の早期把握による点検精度の向上を目指す。

実証では、直径40.6~46.4m、高さ16.5~25.0mの燃料油タンク6基を対象とする。運転員が遠隔から飛行指示を出すと、発電所構内のドローンポートから機体(Skydio X10)が離陸し、事前に設定されたルートに沿って自律飛行しながら外観を自動撮影する。撮影された映像をもとに、運転員がタンク本体や配管の変形、腐食、漏油などの有無を確認して設備の健全性を判断する。

実証では、以下の3項目を中心に継続的かつ安定的な運用が可能かを検証する。

  • ドローン取得データの点検適合性(映像や画像を活用した設備状態の健全性判断)
  • 通信回線の安定性(光回線の敷設が難しい立地での自律飛行および映像伝送に必要な通信速度の確保)
  • 自律飛行の再現性(自律飛行による同一地点・同一画角での定点撮影精度の確保)

各社の役割と今後の展開

本実証における各社の主な役割は次の通りである。

  • 中国電力株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長執行役員:中川 賢剛):発電所運用・保守の知見に基づく巡視点検内容や検証項目の設定、自律飛行に係る遠隔指示(点検開始時の離陸指示や緊急時の安全帰還・安全着陸の指示)、映像からの設備健全性判断
  • 中電工業株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:梅田 健司):塗装工事の材料輸送に関する実績を活かした初期段階の遠隔指示代行、操作指導・運用支援、自律飛行ルート設定
  • KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文):インフラ設備での運用知見に基づく機体・機器の提供、通信回線の整備

3社は本実証で得られた知見をもとに、2027年度における中国電力玉島発電所での本格運用開始を目指す。中国電力は他の火力発電所への展開も検討するとしている。また、中電工業とKDDIスマートドローンは、石油備蓄基地や変電所などの社会インフラ設備への点検導入も視野に展開を進める方針である。

本記事は中国電力株式会社、中電工業株式会社、KDDIスマートドローン株式会社の発表をもとに作成。

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