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SkyDrive、都市部向け空飛ぶクルマの機体設計コンセプトを公開

株式会社SkyDriveは、スペースが限られている都市部で「空飛ぶクルマ」を実現するために適した機体設計の根拠をまとめた機体設計コンセプト「混雑した都市環境におけるeVTOLの安全性のジレンマ(The eVTOL Safety Dilemma in Congested Urban Environments)」を公開しました。長距離の効率を重視する固定翼型から限られたスペースでの安全性を重視するマルチローター型まで用途に応じた設計の違いがある中、同社がコンパクトなマルチローター型を選択した技術的根拠を考察しています。

都市部での運航と「安全性のジレンマ」

空飛ぶクルマの設計において、長距離移動では翼を利用してエネルギー消費を抑える固定翼型(ティルトローター型等)が前進飛行時のエネルギー効率でマルチローター型より優位とされています。一方、建物が密集した都市部での短距離移動では、限られたスペースへの垂直離陸や、低速・ホバリング時の性能が重視されます。

固定翼や飛行モードの切り替え機構を追加すると機体重量や構造の複雑さが増し、ホバリング時に必要な出力も増加します。航空機はバッテリーの一部が故障した際にも安全に着陸できる設計が必須となるため、重い機体を支えるバッテリーの確保とホバリングの維持が都市環境における安全上のジレンマとなります。同社は2030年に世界人口の6割以上が都市に定住すると予測される中(※国際連合「世界都市人口予測・2018年改訂版」より)、駅や空港から最終目的地までを結ぶラストワンマイルの補完を見据え、都市での日常利用から逆算した設計を行っています。

都市部での運航効率を左右する指標の一つに、機体の最大離陸重量をローターの総面積で割った「ディスクローディング(円盤荷重)」があります。ディスクローディングが高くなるほどホバリング時の必要出力が増加しますが、ローター面積を広く確保して機体重量を抑えることでディスクローディングを低くし、効率を高めることが可能です。同社は12基のローターを配置して総面積を確保する設計を採用しています。

また、バッテリーには航続距離に影響する「エネルギー密度」と、ホバリングや垂直離着陸に必要な瞬間的な電力を供給する「出力密度」の2つの要素があります。都市で利用する機体においては、航続距離だけでなく必要な出力を安全に供給できる性能が求められます。

単一故障時の冗長設計とマルチローターの選択

安全設計の面では、バッテリーパックの1つなど電源システムの一部に故障が発生した場合でも、残されたシステムで安全に飛行と垂直着陸を継続できる冗長性が求められます。同社の機体設計は低いディスクローディングを維持することで、単一故障が発生した状況でもバーティポートへの安定した飛行と安全な垂直着陸を行うためのパワーマージン(出力の余裕)を確保しています。

高ディスクローディングの機体は推進システム全体が重量化し、有効積載量 対 最大離陸重量比を悪化させるため、30km未満の都市部短距離移動において重い推進システムを載せる利点は限定的とされています。50kmを超える長距離移動では固定翼が優れる一方、都市内の短距離移動では狭小地への確実な離着陸とバーティポートのサイズ最小化が重要となることから、同社はマルチローター構造を選択したとしています。

機体設計コンセプトの全文は同社のウェブサイト(https://skydrive.co.jp/wp-content/themes/skydrive-v20260706/assets/pdf/JP_Design_Philosophy_Paper2.pdf)で公開されています。

株式会社SkyDrive 概要

  • 設立:2018年7月
  • 代表者:代表取締役CEO 福澤知浩
  • URL:https://skydrive.co.jp/
  • 所在地:
  • 豊田本社:愛知県豊田市挙母町2-1-1
  • 豊田開発センター:愛知県豊田市西中山町山ノ田20-2
  • 豊田テストフィールド:愛知県豊田市足助地区
  • 名古屋空港オフィス:愛知県西春日井郡豊山町大字豊場 県営名古屋空港2F
  • 東京オフィス:東京都千代田区平河町1-3-13 平河町フロントビル3F
  • 大阪オフィス:大阪府大阪市北区梅田1-3-1-800 大阪駅前第一ビル8F
  • 山口テストフィールド:山口県山口市阿知須
  • 子会社:株式会社Sky Works(静岡県磐田市)、SkyDrive America, Inc.(Beaufort, South Carolina 29902, U.S.A.)、株式会社AlterSky(愛知県豊田市)

本記事は株式会社SkyDriveの発表をもとに作成されています。

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