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霧島酒造の保有林が自然共生サイトに認定 九州初の保持林業実証へ

霧島酒造株式会社が宮崎県日南市で管理する自社保有林「霧島酒造そだつの森(Kirishima Shuzo Sodatsu Forest)」が、2026年10月30日(金)に環境省が定める「自然共生サイト」に認定された。同社は、南那珂森林組合や宮崎大学と連携し、木材生産と生物多様性保全の両立を目指す。九州では初となる「保持林業」の実証実験を行い、学術的な検証を進める方針だ(2026年10月霧島酒造調べ)。

九州初となる保持林業の実証実験を実施

「霧島酒造そだつの森」は、東京ドーム約8個分に相当する38.8ヘクタールの人工林である。同所では、針葉樹のスギを主に育てつつ、伐採の際に1ヘクタールあたり10本程度の広葉樹を残す「保持林業」の手法を取り入れて管理されている。効果を検証しながら管理手法を見直す予定となっている。

森の中では、タイワンツバメシジミやウラナミジャノメといったチョウ類、エビネやキリシマエビネのようなラン科の植物などの希少種を含む植物、昆虫、鳥類の生息が確認されている。木材生産と生物多様性保全の両立について地元の宮崎大学と学術的に検証する取り組みは、九州では初の保持林業実証実験となる(2026年10月霧島酒造調べ)。

環境省の「自然共生サイト」認定と背景

「自然共生サイト」は、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度で、2023年度から開始された。2026年10月末までに全国で計700か所が認定されており、宮崎県内では「霧島酒造そだつの森」が8か所目となる。

活動類型としては「維持タイプ」として認定された。保護地域(国立公園等)と重複しない区域は、順次、国連環境計画世界自然保護モニタリングセンターが管理する国際データベース「世界OECMデータベース」に登録される。2022年の生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の「30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標」達成に向け、日本国内で同サイトの運営が進められている。

対象の森林は、霧島酒造の創業家である江夏家が1965年頃から保有・管理し、ブランド杉「飫肥杉(おびすぎ)」を育成してきた場所である。同社が2023年に策定したアクションプラン『霧島環境アクション2030』に伴い、同年に霧島ホールディングス株式会社が購入して施業を開始した。実際の施業は日南市・串間市の森林組合である南那珂森林組合に委託している。

森の東側には神武天皇ゆかりの「生達(そだつ)神社」があり、境内には神武天皇が腰かけたと伝わる「腰掛岩(こしかけいわ)」が存在する。「生達=そだつ=育つ」の掛詞を活かし、生き物や植物が豊かに育つことを願うとともに地域への敬意を込めて「霧島酒造そだつの森」と名付けられた。

関係者のコメント

霧島酒造のグリーンエネルギー本部に所属する皆吉 瞳(みなよし ひとみ)は、調査により多くの植物や生き物が確認されたことに触れ、「保持林業の実証実験を通して、より生物多様性の豊かな森になり、将来的に地域にも成果を広げていくことができればと考えています」とコメントしている。

宮崎大学 農学部教授で日本森林学会会長の伊藤 哲(いとう さとし)は、常緑樹が卓越する暖温帯で初めて保持林業の効果を科学的に評価する試みである点や、組合自らが希少植物の分布調査を実施して計画変更を提案したプロセスを評価した。

南那珂森林組合 日南事業所の清水 賢次(しみず けんじ)は、霧島酒造と連携して保持林業に取り組む意義を述べ、宮崎大学による検証結果を踏まえた森林づくりを進める意向を示している。

霧島酒造株式会社の概要

  • 創業:1916年5月(現:霧島ホールディングス株式会社)
  • 設立:2014年3月(※持株会社制移行に伴い、2015年4月1日に社名変更)
  • 代表者:代表取締役社長 江夏 邦威(えなつ くにたけ)
  • 資本金:300万円(2026年4月時点) (※霧島酒造株式会社のみ。親会社の霧島ホールディングス株式会社は4,439万円)
  • 本社:宮崎県都城市下川東4丁目28号1番
  • 業務内容:本格焼酎製造および販売、クラフトビール製造および販売、レストラン事業

本記事は霧島酒造株式会社の発表をもとに作成。

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