京都フュージョニアリングが米企業から核融合実証機向け加熱システムを受注
京都フュージョニアリング株式会社は、米国のフュージョンエネルギー企業Type One Energy Group, Inc.からジャイロトロンシステムを受注しました。このシステムは、同社が商用フュージョン発電プラントの実現に向けて建設を進める実証機「Infinity One」において、プラズマの加熱に用いられます。同社は設計や製造から、米国現地での立ち上げ支援までを一貫して担当します。
周波数170GHz・出力1MW級システムを2029年までに納入へ
契約に基づき、京都フュージョニアリングは周波数170GHz・出力1MW級のジャイロトロンシステムにおける設計、製造、工場出荷試験、輸送のほか、米国現地での据付とサイト受入試験の監督を一貫して担います。
ジャイロトロンシステムは多数の高精度部品から構成されています。同社は日本国内のサプライチェーンを結集し、滋賀イノベーションファクトリーにおいて品質保証体制のもとで製造を進め、全数の納入は2029年に完了する予定です。
京都フュージョニアリングはこれまでにも、英国Tokamak Energy社や米国Quaise Energy社など、国内外の研究機関や企業に研究や実験目的でジャイロトロンを1〜2基単位で供給してきました。
今回の受注は、商用プラントの前段となる実証機建設を進める民間企業が発注元であり、運転スケジュールに直結する機器として調達される点や、加熱システムを構成するシステムをまとめて受注した点が従来と異なります。同社はプラントの建設スケジュールに合わせて計画的な製造と納入を進め、民間プラント計画に向けた供給基盤を整える方針です。
米Type One Energyの実証機「Infinity One」における役割

発注元のType One Energyは、ねじれた形状の磁場でプラズマを閉じ込め、安定した連続運転に適したステラレータ方式によるフュージョン発電の商用化を目指しています。同社は2026年10月に2億ドルのシリーズB資金調達を発表しました。
商用フュージョン発電プラント「Infinity Two」に先立つ実証機「Infinity One」では、高出力のマイクロ波でプラズマを加熱するECHが重要な役割を担っており、ジャイロトロンはそのマイクロ波を発生させる装置として活用されます。
両社代表者によるコメント
京都フュージョニアリングの代表取締役社長 COOである世古圭氏は、今回の受注について、自社の事業が研究機関向けから民間の発電プラント計画を支える供給へと移る転換点になると位置づけています。
Type One Energy Group, Inc.のCTOであるThomas Sunn Pedersen氏は、実績のある製造企業との協業により、自社のエンジニアリングリソースを最適化したステラレータの他部分の開発やプラント技術の統合に集中できるとしています。
本記事は京都フュージョニアリング株式会社の発表をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



