下水処理場の設備更新に関する調査結果と提言レポートをセイスイ工業が公開
排水・汚泥処理の専門企業であるセイスイ工業株式会社は、老朽化が進む下水処理場における設備の更新・メンテナンスに関する提言レポートを公開しました。仮設水処理プラントのレンタル事業を通じて全国2,650件超の現場を支援してきた実績と、2026年2月および5月に自治体職員を対象に実施した2つの独自調査をもとにまとめられています。下水処理を継続しながら設備を更新する際の構造的な課題と、その対応策が整理されています。
自治体調査で判明した設備更新とメンテナンスの実態
IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査を通じて、自治体職員を対象とした実態把握が行われました。
2026年5月14日~同年5月15日に実施された「下水処理場におけるし渣処理の実態と課題に関する調査」(自治体の下水道・上下水道・環境・施設管理関連部門の担当者100名が回答)では、し渣処理設備の導入から「10年以上」が58.0%を占め、故障・不具合・処理能力低下を経験した回答者は85.0%に上りました。また、設備更新・大規模修繕で「処理を止められない」制約に直面した、または今後直面するとした回答は87.0%となっています。実際の対応としては「工程を分割して段階的に施工」が60.5%、「仮設設備による一時的な処理継続」が48.8%挙がった一方、25.6%は更新・修繕そのものを先送りしている実態が明らかになりました。
2026年2月2日~同年2月5日に実施された「消化槽メンテナンス時の汚泥処理対応に関する実態調査」(消化槽の運転管理・維持管理に携わる自治体職員102名が回答)では、消化槽メンテナンス経験者75名の58.7%が停止期間中に余裕のない対応や想定外の事態、処理の滞りを経験したと回答しました。さらに76.0%が槽内開放時の堆積物量について「想定を超えていた」とし、停止期間中の最大の負担としては「汚泥をためておく場所の不足」が45.5%で最多となりました。なお、消化槽メンテナンス時のBCP・バックアップ計画を「策定している」とした回答は40.2%にとどまっています。
※各調査の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。


処理を止めない更新に向けた3つの課題


調査結果から、設備更新・メンテナンスにおいては設備自体の更新計画だけでなく、停止期間中の処理を含めた設計が必要であることが浮き彫りになりました。セイスイ工業では以下の3点を課題として挙げています。



- 更新中に失われる処理能力をどう補うか:設備停止期間中に失われる処理能力を、既存設備のみで補えない可能性がある点
- 「想定超え」を計画にどう織り込むか:堆積物量や処理量、工期などが事前想定を超える可能性があり、計画段階で不確実性が残る点
- 代替処理とバックアップ体制を平時からどう準備するか:貯留、外部搬出、仮設処理、他系列への負荷移行などの制約を踏まえ、単一手法に依存せず複数手段を使える体制を整える点
課題解決に向けセイスイ工業が提言する4つの取り組み

セイスイ工業は、「処理を継続しながら更新する」ことを標準的な考え方とするため、以下の4つの取り組みを提言しています。
- 提言1:処理継続方法を更新計画と同時に設計する
- 提言2:「想定超え」を前提に余力を持たせる
- 提言3:「貯留・搬出・仮設処理」をハイブリッド化する
- 提言4:メンテナンスBCPを標準装備にする
設備停止時の代替処理を一つの手段に依存せず、貯留や外部搬出、場内仮設処理、他系列・他施設への負荷移行を組み合わせることで、想定超過や工期の長期化にも対応できる体制づくりを促しています。
- 会社名:セイスイ工業株式会社
- 設立:1974年4月
- 代表取締役:井本 謙一
- 所在地:千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
- 事業内容:排水、汚泥処理のプランニング/排水、汚泥処理プラントのレンタル/デカンタ型遠心分離機のレンタル/各種水処理機器のレンタル/【NETIS】土木泥水再利用システム(震災対応)/【NETIS】汚染土壌分級システム(震災対応)/株式会社IHI ビジネスパートナー
- URL:https://seisui-kk.com
本記事はセイスイ工業株式会社の発表をもとに作成しています。
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