新潟・新発田のオーベルジュNé、日本空間デザイン賞2026で金賞を受賞
株式会社Ahead of the curveが新潟県新発田市で運営する一日一組のオーベルジュ「Né(ネ)」が、日本空間デザイン賞2026のサービス・ホスピタリティー空間ジャンルで金賞に選ばれました。同賞は日本空間デザイン協会と日本商環境デザイン協会が主催する国内最大級の空間デザインの賞で、金賞は各ジャンルの1位にあたります。
同施設は2026年6月に、米ニューヨークを拠点とする建築プラットフォームArchitizerの国際賞「A+Awards 2026」のArchitecture + Environment部門でPopular Choice Winner(一般投票1位)に選ばれたほか、グッドデザイン賞2026やウッドデザイン賞2026など国内外で複数の評価を受けています。



土地の素材と職人の手で建てる「環境建築」




屋敷林に囲まれた旧本間家の敷地に立つNéは、客室が1室のみの宿泊施設です。地面を掘らずにコンクリートも使わず、105本の木杭と土の摩擦によって建てられています。床には新発田産の杉を切り出した2,220個の木片を敷き詰め、屋根には新潟の土で焼いた安田瓦を使用、土間を上がった壁には敷地の土を半年以上発酵させたものが塗られています。
設計は福西健太、施工は新発田で三代続く熊谷建設が担当しました。Ahead of the curve代表取締役の熊谷幹樹はこれを「環境建築」と呼び、その土地にある素材を使い地元の人の手で建てることが来訪者へのもてなしになるという考えを示しています。建物は役目を終えれば土に還る設計となっており、熊谷建設の建築廃材は敷地内にあるバレルサウナ「sui」の薪として活用されています。
新潟の技と食材を届ける13皿の夕食



夕食は、総料理長である布施真による13皿のコース「終わりから始まりへ、そして一瞬が永遠になるまで」が提供されます。食材は砂糖以外すべて新潟のものを使用し、山菜や川魚、猟師の獲物、海の幸などが発酵や乾燥、塩蔵といった雪国の技法を用いて調理されます。食材は「同じ人から、適切な対価で、できるだけ長く」受け取る方針を掲げており、料理とともに生産者の名前を記した文章が渡されます。
Néとsuiで働く13人のうち11人は新発田市およびその周辺の出身者で構成されており、宿泊の対価を職人や生産者の次の仕事へつなげ、技術を次の世代へ継承する循環を図っています。2026年3月には、英国のトラベルキュレーション「The Aficionados」に日本および東アジアで初めて選出されました。
関係者のコメント
受賞に際し、Ahead of the curve代表取締役の熊谷幹樹は「賞は目的ではなく、入口だと思っています」とした上で、「地方の伝統は、仕事がなくなれば途絶えます。仕事があれば、続きます。Néは、この土地の土と木と人と食材で、もう一度仕事をつくる試みです」と述べています。
設計を手掛けた福西健太建築設計事務所代表の福西健太は、外部の素材に頼らず地域資源だけで建築をつくるアプローチが料理の思想と重なり合っているとし、取り組みへの評価に対する喜びを表しました。
施設概要
- 名称:Auberge Né(オーベルジュ ネ)
- 所在地:新潟県新発田市石喜180
- 開業:2025年10月
- 形態:一日一組(2〜4名)、1泊2食
- 料金:1室 ¥198,000〜(2名・税込)/4名1室のとき ¥90,200〜/名
- 設計:福西健太建築設計事務所
- 施工:有限会社熊谷建設
- 運営会社:株式会社Ahead of the curve(代表取締役:熊谷幹樹)
本記事は株式会社Ahead of the curveの発表をもとに作成しています。
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