東急建設とNTTソノリティ、音声AIを活用したKY活動の実証実験成果を公表
東急建設とNTTソノリティは、建設現場の安全管理業務である危険予知(KY)活動を音声と生成AIでデジタル化する実証実験(PoC)の成果と今後の開発方針を公表しました。2026年3月から実施された実証実験を通じて、従来の紙への手書き記入を中心とした運用に比べ、現場の負担を抑えながら安全管理水準を向上できることが確認されました。東急建設は2026年度中に随時展開し、次年度には全現場への導入を目指すとしています。

実証実験の背景と目的
建設現場では毎朝の作業開始前にKY活動が行われていますが、紙への手書き記入が中心になりやすく、口頭での注意喚起が記録に反映されにくいなどの課題がありました。具体的には、記録作業の負担や内容の形骸化、データの蓄積・分析の難しさ、客観的な評価のしにくさが指摘されていました。
今回の取り組みは、NTTソノリティの音響技術と生成AIを組み合わせ、現場の音声をデータとして蓄積・活用することで安全施工サイクルの高度化を目指したものです。


実証実験の概要
実証実験は以下の内容で実施されました。
- 実施期間:2026年3月〜2026年6月
- 実施現場:東急建設の複数現場(東京都内 ほか)
- 対象者:東急建設の複数現場における所長・現場監督・職長の計16名
- 使用ツール:NTTソノリティ「SonoVo AI」(先行開発版)、専用マイク「SonoVo Stick」
- 対象業務:KY活動、朝礼、社員打ち合わせ、作業間連絡調整 ほか


自動記録とAI判定による2つの成果
実証実験では、音声AIの活用によって2つの成果が確認されました。
1点目は、現場での発話を音声AIが自動で記録・保管することで、対話そのものを安全記録として残せる点です。参加者アンケートでは「操作しやすい」への満足度が100%となり、現場からは書き忘れ防止や確認作業の削減につながるといった声が寄せられました。
2点目は、発話内容を生成AIが分析し、危険ポイントの具体性や注意喚起の質を「ABC判定」で自動評価する機能です。この評価機能について、「安全をより注意する気持ちになるか」という質問に対し、実施した現場の職長7名全員が「はい」と回答しました。なお、この安全性評価は労働安全衛生法や同規則を参考に独自整理した指標に基づく補助機能であり、法令上の安全管理義務の履行に代わるものではないとしています。
今後の展望
両社は今後、高騒音下での精度向上や地下などの通信環境への対応を進めます。東急建設は2026年度中に本システムを随時展開し、次年度に全現場への導入を目指す方針です。また、他社製デジタルサイネージ等との連携も視野に入れ、現場課題への対応力を高めていくとしています。
本記事は東急建設株式会社およびNTTソノリティ株式会社の発表をもとに作成。
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