AIロボット協会がロボット基盤モデルAIRoA-0公開、10種の作業で平均成功率78%
一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)は、ロボット基盤モデル「AIRoA-0(以下、A-0)」を公開しました。人がデータ収集デバイス「YUBI(Yielding Universal Bidigital Interface)」で記録した操作をロボットに学習させるため、データ処理から事前学習・事後学習、実機での動作生成までを一体として設計しています。事前学習済み・事後学習済みモデルの重みと関連コードが公開されており、技術の詳細と評価結果はテクニカルレポートで閲覧可能です。
10種類の評価タスクで平均成功率78%を記録
学習用の操作データを収集した環境とは異なる場所でモデルの動作を検証し、細かな部品の仕分けやタオル畳みなどの双腕作業を実行できることが確認されています。一つの指示に基づいて12個を超える小さな部品を番号付きの区画に仕分ける動作のほか、ペンケースのファスナーを開けて鉛筆を入れ、再び閉じる作業などを実行しました。
評価では、タオル畳み、ロボット掃除機の部品交換、カップやオレンジの積み上げなど、10種類のタスクを各15回試行し、平均成功率は78%でした。同じデータで事後学習した代表的な4つのモデル(最高27%)を上回ったとしています。
人が動かした配置の変更に対応し4機種のロボットで動作

本モデルは、画像・言語・行動を扱うVLAモデルであり、画像内の重要な領域を人が指定することなく、作業に必要な視覚情報を学習します。過去の状態や現在の作業段階を捉える仕組みと行動を連続的に生成する仕組みを組み合わせており、色別に部品を仕分ける実験では、人が途中で仕分け箱を動かしても、移動後の箱の位置に合わせて部品を入れる動作を確認しました。

また、A-0はロボット固有の関節角度ではなくグリッパーの位置・姿勢を出力し、各ロボットの制御システムが実際のアームの動きに変換します。この構成によりYUBIグリッパーを搭載すれば機体を問わず同じモデルを利用可能で、これまでに双腕のFranka、TX-G2、OpenArm、URの4機種で動作を確認しています。
YUBIによる1万6151時間のデータで事前学習
ロボットに多様な作業を学習させるにあたり、AIRoAはロボットを用意することなく人がさまざまな場所で操作を記録できる方法が学習規模を拡大する鍵になると考えています。YUBIは人が手持ち型グリッパーを操作する際の映像や手先の軌跡を記録するデバイスで、ハードウェア設計はトヨタ自動車株式会社 未来創生センター、データ収集ソフトウェアはAIRoAが担当し、オープンソースとして公開されています。
A-0の開発では、Physical Intelligence社が公開した「π0.5 base」の重みを起点に、YUBIで収集した16,151時間のデータを事前学習に使用しました。今回の操作学習では、ロボットの遠隔操作によるデータ収集や強化学習、実機での動作修正は行っていません。
研究者や開発者が用途に合わせて事後学習し実機で検証できるよう、以下のリソースが公開されています。
- データ収集用コード(YUBIを用いてデータ収集するためのコード):https://github.com/airoa-org/yubi-go
- モデルの重み(事前学習済みモデル、および評価タスク向けの事後学習済みモデル):https://huggingface.co/airoa-org/AIRoA-0
- 事後学習用コード(利用者が独自のデータでモデルを事後学習するためのコード、GPU8基の1ノードで4時間未満):https://github.com/airoa-org/AIRoA-0
- 推論コード(センサー情報などを入力し、グリッパーの位置・姿勢を出力するコードの例):https://github.com/airoa-org/openarm-pipeline
- テクニカルレポート:https://arxiv.org/abs/2611.03815
- A-0プロジェクトページ:https://a-0.airoa.io
- YUBI詳細URL:https://yubi.airoa.io/
学習に使用したデータセットについても公開が予定されており、詳細が決まり次第AIRoA公式サイトで案内されます。また、2026年11月9日〜12日に米国オースティンで開催されるConference on Robot Learning(CoRL)2026のAIRoAブース(210)でも本研究と関連する取り組みが紹介される予定です。
なお、本成果物は経済産業省およびNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野の生成AI基盤モデルの開発に向けたデータプラットフォームに係る開発(事業番号JPNP25015)」の結果得られたものです。
一般社団法人AIロボット協会について
- 所在地:東京都大田区
- 理事長:尾形哲也
- 公式サイト:https://www.airoa.org/ja/
- お問い合わせ(利用・評価等公開物):ext-oss@airoa.org
- お問い合わせ(共同研究):ext-collaboration@airoa.org
本記事は一般社団法人AIロボット協会の発表をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



