日本蓄電開発機構が低圧蓄電所向けVPPサービスJESDI VPPを発表
日本蓄電開発機構株式会社は、低圧蓄電所を束ねて需給調整市場で運用するVPP(仮想発電所)サービス「JESDI VPP」を発表しました。蓄電システムとの接続・設定から遠隔監視・制御、市場での運用、精算までを同社が単一の窓口で担います。対応する蓄電システムの第一弾として、HOBE ENERGY株式会社が11月6日に発表した低圧系統用蓄電システムとの接続を検証済みです。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、天候によって変動する発電量と需要のバランスをとる「調整力」の確保が課題となっています。資源エネルギー庁の「次世代の分散型電力システムに関する検討会」資料等によると、2026年度からは出力50kW未満の低圧蓄電設備も1MW以上に束ねることで需給調整市場に参加できるようになりました。
市場への参加には一定規模以上の設備を束ねる必要があり、単独の事業者による参加は困難です。束ねて運用する際は、各蓄電所の充放電可能量の把握や計測・通信・制御の統一、市場入札や精算を継続する体制が求められます。同社は高圧蓄電所の開発や市場参入を通じて構築した体制を低圧蓄電設備向けにも広げ、オーナーが市場参入しやすい環境を整備します。
高圧蓄電所のノウハウを活用した導入・運用の迅速化
同社は高圧蓄電所において4件の運転開始実績を持ち、現在9件を施工中です。培ったノウハウを低圧蓄電所にも適用し、受電、VPP接続、市場参入の工程を一体で設計することで受電後の待機期間短縮を目指します。

接続や試験には既存の接続仕様や手順、試験データを活用し、試験データ取得と試運転を約1.5時間で完了する仕組みを展開します。これにより遠隔データ取得や制御確認、その後の申請・調整を円滑に進め、早期立ち上げを支援します。運転開始後は、複数拠点の稼働状況、通信状態、SOC(充電率)を監視し、異常の早期検知と安定稼働を図る方針です。
JESDI VPPの提供範囲
サービスの提供範囲と主な内容は以下の通りです。
- 接続・設定:蓄電システムとの通信接続、計測・制御の設定、接続試験
- 監視・制御:遠隔監視、充放電制御、障害の検知
- 市場運用:連携するアグリゲーターによる入札、約定後の制御指令、実績管理
- 精算・レポート:収益の精算、運用レポートの提供
代表コメントと事業展開
代表取締役の星野 晶氏は、地域の多様な場所にエネルギーを蓄える拠点を設け、ネットワークで結ぶ分散型エネルギーインフラの実現を目指すとコメントしています。平時の需給調整に加え、将来的には非常時の電力確保にも寄与する体制づくりを見据え、特定の拠点に依存しない社会基盤の構築に向けてパートナーとの連携を広げていく考えを示しています。
なお、記載された仕様や時期は開発中の内容を含み予告なく変更される場合があるほか、本サービスの導入が需給調整市場での約定、事業収益、系統連系の時期を保証するものではないとしています。
日本蓄電開発機構株式会社の概要
- 所在地:東京都港区北青山2-12-4-303
- 代表者:代表取締役 星野 晶
- 設立:2024年10月
- 事業内容:系統用蓄電所の開発・市場参入、蓄電所開発のプロジェクトオーケストレーション、低圧蓄電所向けVPPサービス「JESDI VPP」の提供
- URL:https://japan-energystorage.co.jp/
本記事は日本蓄電開発機構株式会社の発表をもとに作成されています。また、制度面の内容は資源エネルギー庁の資料に基づいています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



