消火器リサイクルシステムが循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰を受賞
一般社団法人日本消火器工業会(東京都台東区、会長:初田和弘)が環境大臣の広域認定を受けて運営する消火器リサイクルシステムが、環境省主催の令和8年度 循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰(3R活動推進功労団体)を受賞した。
同システムは、消火器メーカーや全国の販売・点検事業者、処理施設が連携し、メーカーを問わず廃消火器を回収する業界一体型の仕組みである。回収した粉末消火薬剤を再び消火器の原料として活用するなど、資源循環の取り組みが進められている。今回の受賞では、全国規模の回収網や重量ベースで9割以上の再資源化、温室効果ガス(GHG)排出削減、有害化学物質の適正処理、希少資源であるリンの循環利用による貢献などが評価された。
評価された4つの成果


同システムでは、全国約5,000カ所の特定窓口と約200カ所の指定引取場所を通じて全メーカーの消火器を回収する体制を整備している。2025年度の廃消火器処理量は2万7,582トンで、このうち一般廃棄物は1万6,401トンとなり、広域認定制度による全一般廃棄物の処理量合計1万8,787トンの87%を占めた。2010年の運用開始から2025年度末までに累計約6,800万本を回収・処理している。
回収された消火器は解体・分別され、重量の9割以上が再資源化されている。特に粉末消火薬剤は97%が再資源化され、その多くが再び消火薬剤の原料として利用されている。2025年度に製造された消火器に使われたABC粉末消火薬剤の81.6%は、同システムで回収・再資源化された薬剤だった。
環境負荷の低減面では、粉末薬剤の原料採取から製造までに伴う排出を抑制し、リサイクル工程の電力消費などを差し引いても粉末消火器1本あたり2.8kg-CO2eqの削減効果があると推計されている。運用開始以降の累計削減効果は約16万トン-CO2eqに達し、一般家庭約10万戸分の年間電力消費に伴う排出量に相当するという。
さらに、粉末消火薬剤の主原料で輸入に依存するリンの循環利用により調達リスク低減に寄与するほか、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)・ペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含む一部の旧型消火器について、排出者に追加費用を求めず回収・適正処理を進めている。
業界一体の仕組みと地域・災害時の対応
廃消火器は多くの自治体で処理困難物とされている。同システムはリサイクルシールによる費用前払い方式を採用し、排出時の負担軽減や不法投棄・長期保管の抑制を図っている。また、販売・点検の現場を回収網に組み込み、使用期限を超えた消火器の買い替えや老朽化消火器の回収につなげている。
離島など回収が難しい地域では自治体と連携し、これまでに八丈島、大島、三宅島、隠岐の島、石垣島などで拠点形成や回収ルートの構築を展開した。東日本大震災後には環境省や被災地自治体と連携し、津波で被災した廃消火器約5万本を無償で回収・適正処理した実績を持つ。
今後の展望
今後は回収が難しい地域でのルート構築を進めるほか、自治体のウェブサイトにある「ごみの出し方」などから同システムへの案内を増やすなど、自治体と連携した広報を強化する方針だ。家庭や事業者が迷わず適正に排出できる環境を整え、廃消火器の回収促進を目指すとしている。
消火器リサイクルシステムの概要
- 広域認定取得日:2009(平成21)年12月28日
- 運用開始(回収開始):2010(平成22)年 1月
- 広域認定取得者:一般社団法人日本消火器工業会
- 回収方式:全国の特定窓口・指定引取場所を通じた回収
- WEBサイト(消火器リサイクル推進センター):https://www.ferpc.jp/
- 受賞記念URL:https://www.ferpc.jp/environment-ministers-award/
本記事は一般社団法人日本消火器工業会の発表をもとに作成。
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