Dellows News

フューチャーと東北大の共同研究論文、国際会議AACL2026で採択

フューチャー株式会社は、同社のAI戦略推進グループに所属するリサーチエンジニアの岸波洋介氏、藤井諒氏、森下睦氏が共同執筆した論文が、自然言語処理分野の主要国際会議である「AACL2026」のMain Conferenceに採択されたと発表しました。本研究は国立大学法人東北大学との共同研究の成果です。

2026年11月6日から10日にかけて中国・横琴で開催される「AACL2026」において、採択された論文の発表が行われる予定です。

大規模言語モデルの文化バイアス評価を自動化

AACL2026(The 5th Conference of the Asia-Pacific Chapter of the Association for Computational Linguistics and the 15th International Joint Conference on Natural Language Processing)は、自然言語処理分野における世界最大の学会であるACL(Association for Computational Linguistics)のアジア支部が主催するカンファレンスです。

採択された論文「WikiOriginQA: Automated Construction of a QA Dataset with Knowledge Origins for Analyzing Cultural Bias」では、大規模言語モデル(LLM)における文化バイアス評価用のQAデータセット「WikiOriginQA」とその構築手法が提案されています。著者はKento Haneda氏、Yosuke Kishinami氏、Ryo Fujii氏、Keisuke Sakaguchi氏、Makoto Morishita氏です。

Wikipediaの記事作成日に着目したデータセット構築

生成AIの基盤であるLLMの多くは英語圏の文章を中心に学習されているため、知識に英語圏文化への偏りがあることが知られています。モデルがどの文化圏の知識を有しているかを把握するには各文化特有の知識を問うデータが必要ですが、作成には各文化に精通した人材が必要となり、大規模なデータセットの構築は困難でした。

そこで本研究では、Wikipediaの記事作成日に着目したデータセットの自動構築手法を考案しました。ある項目に関する記事がどの言語で最初に作成されたかという情報から、その項目と結びつきの強い文化圏が見いだせるという仮説のもと、文化QAデータセットを自動構築しています。構築したデータセットによる分析の結果、既存研究と同様にLLMにおける文化的バイアスの存在が確認され、手法の有効性が示されました。

フューチャーは、AIに特化した専門組織「AI戦略推進グループ」を中心にエンジニアの採用・育成を行い、技術基盤を科学的に深化させる研究所としてFuture AI Science Laboratoriesを開設しています。

自然言語処理および生成AIの学術研究・研究開発を進めており、主な取り組みは以下の通りです。

  • 2024年に国内生成AIの開発力強化プロジェクト「GENIAC」の支援を受け、「日本語とソフトウェア開発に特化した基盤モデル」を一般公開
  • 2025年からは社員の博士号取得を支援する社会人ドクター支援制度「Future PhD Support Program」を導入
  • 主要事業会社のフューチャーアーキテクト株式会社とともに、顧客の経営やビジネスへのAI導入を推進

同社は、今回の成果がLLMの文化バイアスの検証を効率化し、より多くの人が公平かつ安心して利用できる言語モデルの構築に貢献することを期待するとしています。

本記事はフューチャー株式会社の発表をもとに作成されています。

アクセスランキング

今日

1週間