東京医科大ら、だ液中ポリアミンの比率解析による胃がん判別の可能性を発表
株式会社サリバテックは、同社代表取締役の砂村眞琴氏が共著者として参加した東京医科大学消化器内科学分野の研究グループによる論文が、2026年10月22日に国際学術誌『Medical Sciences』に掲載されたことを発表しました。
だ液に含まれる「ポリアミン」の濃度ではなく「比率」を機械学習で解析することで、胃がんの有無を見分けられる可能性が示されました。本研究は同社のがんリスク検査サービス「サリバチェッカー」の機械学習モデルの精度を直接検証したものではありませんが、今後のサービス改善につながることが期待されています。
水分量の影響を抑える「比率」に着目
胃がんは内視鏡検査による身体への負担や費用、腫瘍マーカーの早期発見における精度の低さなどの課題があり、自宅で採取できるだ液を用いた検査手法が求められていました。だ液は水分量によって濃さが変わるため、単純な物質濃度のみでは判定に影響が出る課題がありましたが、本研究では各ポリアミンの「アセチル化体」と「非アセチル化体」の比率を用いることで、だ液の濃淡による影響を抑えられることが確認されました。
早期胃がんを含む検体で一定の精度を確認
研究では、2020年3月から2025年5月に東京医科大学病院で内視鏡検査を受けた胃がん患者53人と胃がんのない37人を対象に、採取されただ液を質量分析装置 (LC-MS) で分析しました。胃がん患者53人のうち51人はステージIの早期段階でした。
9種類のポリアミンの濃度そのものを学習させたモデルはテストデータでの精度がAUC 0.688に下がった一方、比率データを学習させたモデルはAUC 0.807を記録しました。胃がんの人の約7割を「胃がんの可能性あり」(感度68.8%)、胃がんでない人の約7割を「可能性が低い」(特異度72.7%)と判定しています。
今後の展望と課題
本研究は、だ液のポリアミン比率が胃がん検診を補う手段になり得るかを確かめた概念実証研究の初期段階に位置付けられており、今後は複数の医療機関でより多くの方を対象とした検証が必要とされています。サリバテック代表取締役の砂村眞琴氏は、濃さが変わりやすいだ液でも物質の比率に着目することで発生リスクを予測できる可能性が示されたとし、今後もアカデミアとの連携を通じて臨床研究を進める考えを示しています。
論文の基本情報
- 掲載誌:Medical Sciences(MDPI), 2026, Vol. 14, Issue 7, 695
- 論文タイトル:Salivary Polyamine Ratios as Candidate Biomarkers for Gastric Cancer: A Proof-of-Concept Case–Control Study
- 著者:Mitsuhiro Nakao, Masakatsu Fukuzawa*, Makoto Sunamura, Takao Itoi, et al.(*責任著者)
- 所属:東京医科大学 消化器内科学分野/東京医科大学八王子医療センター 消化器外科・移植外科(砂村)
- 掲載日:2026年10月22日(オンライン公開)
- DOI:10.3390/medsci14070695(URL:https://www.mdpi.com/2076-3271/14/7/695)
株式会社サリバテックについて
- 会社名:株式会社サリバテック
- 代表者名:代表取締役 砂村眞琴
- 本社所在地:山形県鶴岡市
- 事業内容:だ液によるがんリスク検査事業、新規リスク検査開発事業、研究検査受託事業
- コーポレートサイト:https://salivatech.co.jp/
本記事は株式会社サリバテックの発表をもとに作成されています。
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