リテールAI協会と駒澤大学が産学連携授業 キャンパスドンキでAI購買分析を実践
一般社団法人リテールAI協会は、駒澤大学との連携協定に基づき、2026年度前期に産学連携授業を実施しました。授業は、同大学の「データサイエンス・AI教育プログラム」の正課科目「リテールAI協会協力授業 実践データサイエンス」として開講されたものです。学生は大学内に設置された無人小型店舗「キャンパスドンキ」などの購買データを活用し、AIを用いた分析から店舗への反映、効果検証までを一貫して行いました。
実店舗データと講師派遣による実施体制
本授業は、企業との協力体制のもとで実施されました。株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)がデータおよび実店舗の協力を行い、実際のID-POSデータやキャンパスドンキなどを教材として提供しました。
また、講師派遣としてPPIHとリテールAI協会の専門家が登壇し、ビジネス現場におけるデータ分析や活用の実践知について指導を担当しました。
AI分析に基づく買い場改善と効果検証
学生はID-POSデータの分析手法を習得した後、AIを活用して売上推移や購買傾向、商品の組み合わせなどを分析しました。得られた根拠をもとにキャンパスドンキの商品入れ替え案や販促POPを作成し、講師陣や協力企業の支援を受けて実際の買い場へ反映させました。
さらに、月替わりのテーマで商品を紹介する「バズコーナー」の企画では、時期に応じた大学生の気分やニーズをもとにテーマを設定しました。学生自身の生活者視点と購買データを掛け合わせ、SNSで話題の商品や潜在ニーズが見込まれる商品を厳選して展開しました。施策実施後は、棚替え前後の売上金額や顧客数の変化を分析し、PDCAサイクルを実施しました。
新規顧客獲得数34.0%増と施策の成果
検証の結果、キャンパスドンキにおける1日あたりの新規顧客獲得数は、5月と比較して7月に34.0%増加しました。また、「じゃがりこ」「たけのこの里」などの特定商品において、オリジナルPOP設置後に売上の明らかな伸長が見られました。
一方で、売上が低迷する商品もあり、すべての施策が想定通りの結果につながったわけではないとしています。学生はリアルなデータを通じて成果と課題の両方に直面し、仮説検証の重要性やビジネス現場における課題解決の難しさを学びました。
継続展開と関係者の見解
リテールAI協会は、今後も駒澤大学と連携して本授業を継続する予定としています。
授業に携わった駒澤大学総合教育研究部自然科学部門の坂野井和代教授は、学生が自らの分析やアイデアを実店舗での実践につなげて結果まで確かめる機会となり、積極的かつ楽しそうな参加姿勢が目立ったと振り返っています。
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(株式会社カイバラボ データコラボレーション部)の八重樫昌利氏と藤森真由子氏は、大学生自身の視点にデータの裏付けが加わることが買い場づくりの気づきにつながるとし、学生と企業の双方に学びをもたらす機会となることを期待していると述べています。
一般社団法人リテールAI協会の林拓人代表理事は、学生自身が一連のプロセスに取り組んだことにAIが流通の課題解決に携わる人の裾野を広げる可能性を感じているとし、今後もデータとAIを活用して行動できる人材の育成に取り組みたいとの考えを示しています。
協会概要
- 名称:一般社団法人リテールAI協会
- 設立:2017年5月 改称:2025年10月
- 代表理事:林 拓人
- 協会ホームページ:https://retail-ai.or.jp/
本記事は一般社団法人リテールAI協会の発表をもとに作成。
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