横河電機子会社、熱帯地域の次世代AIデータセンター実証コンソーシアムに参画
横河電機株式会社の子会社であるヨコガワ・エンジニアリング・アジアは、シンガポール国立大学(National University of Singapore、以下NUS)のデザイン&エンジニアリング・カレッジが主導する「Sustainable Tropical Data Centre Testbed Phase 2.0(STDCT 2.0)」コンソーシアムに参画した。
YOKOGAWAは産業オートメーションで培った知見と自律運転分野での強みを生かし、AIデータセンター(DC)の運用効率の向上、設備信頼性の強化、エネルギー最適化に取り組む。
熱帯地域におけるDCの課題とシンガポールの戦略
生成AIやクラウドサービスの急速な普及を背景に世界的にDC需要が拡大するなか、エネルギー消費量の増大や安定した運用体制の確立、人材不足への対応が求められている。特にシンガポールのような高温多湿な熱帯地域ではエネルギー消費の課題が顕著であり、冷却システムやエネルギー効率に対する要求が高まっている。
シンガポール政府はDC産業を戦略的成長分野の一つと位置付け、政府系機関の主導でジュロン島を次世代DCの拠点として整備する計画を進めている。同島では、最大700メガワット規模のデータセンター群が建設される見込みとなっている。
STDCT 2.0の概要とYOKOGAWAの取り組み
STDCT 2.0は、熱帯地域におけるAI向けDCの持続可能な運用モデルの確立を目指す実証プロジェクトである。産学官が連携して先進的なエネルギーマネジメント技術や冷却技術の開発・評価を行う。
YOKOGAWAは技術導入や実証評価に取り組むだけでなく、既存の商用ソリューションでは対応が難しい領域において共同研究テーマの検討も進める。これにより、AIを活用した技術力および研究開発力を強化し、シンガポールの持続可能なデジタル経済の実現を支えるとともに、世界のAI向けDCの効率的かつ安定した運用に貢献する包括的なソリューションの開発を推進していく方針だ。
NUSデザイン&エンジニアリング・カレッジの機械工学科長であり、STDCTディレクターを務めるリー・ポー・セン教授は、AIがDCの設計と運用を根本から変えつつあるとした上で、YOKOGAWAが有する計測技術、産業オートメーション、自律運転分野における知見が、熱帯気候下での運用手法の開発・実証において重要な力になると述べている。
ヨコガワ・エンジニアリング・アジア社長兼CEOのチェイ・キン・ワーは、産業における自律化の実現というビジョンのもと、長年培った産業オートメーションやエネルギーマネジメントの技術・知見を生かし、熱帯地域におけるDC運用の高度化や高効率化、持続可能性の向上に貢献していく姿勢を示している。
Sustainable Tropical Data Centre Testbed(STDCT)について
STDCTの概要は以下の通りである。
- 概要:NUSが主導し、同大学のデザイン&エンジニアリング・カレッジが運営する共同研究イニシアチブ
- 重点領域:熱帯地域の気候条件下でも高い信頼性を維持しながら運用できる省エネルギー型データセンターの設計・開発
- 役割:エネルギー消費や水使用量の削減につながる持続可能な技術の評価・検証・導入を進める実証実験の場
- 公式サイト:https://cde.nus.edu.sg/stdct/
本記事は横河電機株式会社の発表をもとに作成。
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