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日立、再生プラスチックの品質評価や劣化診断を行うAI技術の研究開発へ

株式会社日立製作所は、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」において、再生材利用拡大に向けた再生材品質向上および品質評価装置の開発に取り組みます。

本研究開発では、製造現場のインラインセンサーデータと材料分析データを活用し、従来の検査では難しかった再生プラスチックの特性・物性のばらつき評価や劣化状態の診断を行うAI技術の開発を推進します。

背景と開発の狙い

近年は製品や資源を循環利用するサーキュラーエコノミーへの移行が進んでおり、欧州では8月13日に発効されたELV(End-of-Life Vehicles)規則により、2036年までに新車への再生プラスチック25%以上の利用が義務化されています。自動車だけでなく家電や容器包装など他分野由来の再生材を活用する業種横断型の循環が求められる一方、再生プラスチックは回収元や使用履歴によって品質のばらつきが生じやすい課題があります。

従来一般的だった製造ロットの一部を調べる抜き取り検査ではロット全体のばらつき把握が難しかったため、客観的かつ効率的に品質を評価する技術の開発が求められています。

AIを活用した品質評価と劣化診断の特徴

日立はマテリアルズ・インフォマティクス(MI)や計測・分析技術、フィジカルAIの知見を生かし、以下の取り組みを進めます。

  • 品質評価AIの開発:粒状原料(リペレット)への加工工程で得られる製造条件やインラインセンサーデータを活用し、ロット内の品質や特性のばらつきを製造段階で網羅的に予測・評価します。
  • 劣化診断AIの開発:材料分析データや特性評価データを活用して劣化状態や品質変動要因を解析し、推論AIへ診断結果をフィードバックすることで予測モデルを継続的に高度化します。
  • 適材適所での活用支援:AIの評価・診断結果に基づき、再生材を選別・仕分けするソーティングの仕組みを構築し、品質に応じた利用を支援します。

産学官の連携体制と今後の計画

本テーマは東京大学特別教授の伊藤耕三氏がプログラムディレクターを務め、令和5年度から令和9年度までの5年間で推進されます。日立は後半の令和8年度から参画します。

研究開発体制では、国立大学法人東北大学および国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)が劣化・品質変動メカニズムの解明を担当します。日立はインライン計測システムなどの開発を担い、NIMSとともに品質評価・劣化診断技術を開発します。株式会社相田商会は材料や装置を提供し、実環境でのデータ取得と技術実証を行います。

日立は2026年度から2027年度にかけて品質評価AIの開発と精度検証を行い、2027年度以降に劣化診断AIの開発に取り組みます。まずは製造工程由来の再生材(PIR)の評価技術を開発し、将来的には使用済みプラスチック由来の再生材(PCR)への適用拡大も検討する方針です。

株式会社日立製作所の概要

  • 売上収益:10兆5,867億円(2025年度(2026年3月期))
  • 連結子会社数:606社(2026年3月末時点)
  • 従業員数:全世界で約29万人(2026年3月末時点)

本記事は株式会社日立製作所の発表をもとに作成しました。

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