アイビスがibisOfficeのLinux版をAppImageとFlatpak形式で公開
株式会社アイビスは、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式の文書を閲覧・編集できるオープンソースのオフィススイート「ibisOffice(アイビスオフィス)」のLinux版をリリースしました。提供形式はAppImage版とFlatpak版の2種類で、GitHubを通じて無料でダウンロードが可能です。すでに展開されているWindows版、macOS版、Web版にLinuxデスクトップ版が加わり、主要なデスクトップ環境に対応しました。

AppImage版とFlatpak版の2形式で提供
Linux版は、ウィンドウシステムであるWaylandとX11の両方に対応しています。利用者の環境や用途に合わせて選べるよう、以下の2つの形式が用意されています。
AppImage版(ファイル名:ibisOffice-<バージョン>-Linux.AppImage)は、ダウンロード後に実行権限を付与(chmod +x)してダブルクリックするだけで起動できます。インストールやFUSEは不要で、初回の起動時にファイルが自身を展開して動作します。glibc 2.31以降の主要なデスクトップLinux(Ubuntu 20.04、Debian 11以降、Fedora、Arch Linuxなど)の64bit x86_64環境に対応し、初回起動時のアプリ一覧への追加提案や、SHA-256で検証を行う自動更新機能を備えています。
Flatpak版(ファイル名:ibisOffice-<バージョン>-Linux-<アーキテクチャ>.flatpak)は、アプリケーションを分離された環境で導入・管理できる形式です。アプリケーションIDは「jp.ne.ibis.ibisOffice」で、x86_64とaarch64のアーキテクチャに対応しています。実行ファイルやアイコン、デスクトップエントリ、ライセンス表示のみを収め、外部の共有ライブラリ(.so)は同梱されません。
高速な表示とGPU描画を特徴とする機能群
ibisOfficeは、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)の3形式を1つのアプリで閲覧・編集・保存できます。マクロ付きファイル(.docm・.xlsm・.pptm)はマクロを実行せず保持したまま開いて保存できるほか、Windows版・macOS版・Web版と同じRustのコードで開発されています。
画面描画にはGPUを使用しており、スクロールや拡大・縮小、シートの切り替えを滑らかに行えます。環境にMicrosoft Officeの書体がない場合は、Liberation、Caladea、Carlito、Noto CJKなど同じ字幅の書体で代替表示し、レイアウト崩れを抑えます。このほか、オートコレクト、自動回復、日本語入力(IME)、縦書き、ルビに対応し、サーバー変換等に利用できるコマンドラインからのPNG・PDF書き出し(–export)機能も備えています。

起動・表示速度の計測結果
Linux環境(Intel Core i7-10700K、メモリ16GB、GPUなし、Ubuntu 20.04.6 LTS)において、ファイルを開いてから最初の画面が完全に表示されるまでの時間をLibreOfficeおよびONLYOFFICEと比較した計測結果が公表されています(数値は3回の中央値)。

表計算(.xlsx、22シート、グラフ29個、数式58.9万個、13.7MB)では、ibisOfficeが0.72秒で表示したのに対し、LibreOfficeは9.31秒(12.9倍)、ONLYOFFICEは13.38秒(18.5倍)でした。プレゼンテーション(.pptx、31スライド、35.9MB)ではibisOfficeの0.81秒に対しLibreOfficeは5.02秒(6.2倍、ONLYOFFICEは計測できず)、文書(.docx、0.12MB)ではibisOfficeが1.37秒、LibreOfficeが1.57秒(1.1倍)、ONLYOFFICEが4.11秒(3.0倍)となっています。
また、100万行のCSVファイル(1,048,576行、20列、122MB)を開いた場合、ibisOfficeは0.72秒で最初の画面を表示して閲覧・スクロールが可能となりました。LibreOfficeは17.29秒(24.0倍)を要し、ONLYOFFICEは100万行を開けなかったため10万行(9.12秒)の計測値から91.2秒(126.5倍)と推定されています。
今後の展望と代表コメント
同社は世界でトップクラスのオープンソースのオフィススイートを目指し、今後も対応機能と環境を拡充する方針です。また、自社が提供するクラウドストレージ「ibisStorage」のオンライン上で、Word・Excel・PowerPointファイルのプレビューおよび編集を行えるようにする予定としています。
株式会社アイビス代表取締役社長の神谷栄治氏は、「私は日本のIT貿易赤字を減らしたい、IT自給率を上げたいと日々思いながら活動しています。ibisPaintで外貨を稼ぎつつ、日本企業や行政機関の米国製のプロダクティビティ系の製品依存をさげていきたいと思います」とコメントしています。
製品仕様および企業概要
製品の基本情報は以下の通りです。
- 製品名:ibisOffice(アイビスオフィス)
- 最新バージョン:0.8.5
- 対応形式:Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx), csv, tsv(docm, xlsm, pptmはマクロ実行なしで開くことが可能。xls, ppt, odt, ott, ods, ots, odp, otpは簡易対応、docは今後対応予定)
- 対応プラットフォーム:Linux版(AppImage版:64bit x86_64、glibc 2.31以降/Flatpak版:x86_64・aarch64)、Windows 11以降(64bit Intelおよび互換CPU)、macOS 11以降(Apple Silicon)、Web版(WebGPU対応ブラウザ)
- UI対応言語:日本語 / 英語
- ライセンス:AGPL-3.0と商用ライセンスのデュアルライセンス
- ダウンロード・GitHub:https://github.com/ibisjp/ibis-office
- Web版(playground):https://ibisjp.github.io/ibis-office/
- 紹介動画(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=0yjHdK_Cb_8
発表元である株式会社アイビスの概要は以下の通りです。
- 会社名:株式会社アイビス
- 本社所在地:東京都中央区八丁堀一丁目5番1号
- 代表取締役社長:神谷 栄治
- 設立:2000年5月11日
- 上場市場:東京証券取引所グロース市場(証券コード9343)
- 事業内容:モバイルペイントアプリ「ibisPaint」の開発/運営、および受託開発/IT技術者派遣
- URL:https://www.ibis.ne.jp/

本記事は株式会社アイビスの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



