NUS EnterpriseがAI基盤Novaを発表 組織名をNUSXに変更へ
シンガポール国立大学(NUS)の起業支援・事業化組織であるNUS Enterpriseは9月24日、研究の事業化に向けたAIプラットフォーム「Nova」を発表しました。あわせて、シリコンバレーに続くミュンヘンおよび上海へのグローバル拠点ネットワーク拡大計画と、組織の新たな名称「NUSX」を発表しました。これらの取り組みを通じて、研究成果の事業化とグローバル展開の支援を強化していく方針です。
AIを活用した研究事業化プラットフォーム「Nova」
世界の大学特許の70〜80%はライセンス化されていないと推定されており、適切な事業化パートナーの探索が課題となっています。こうした背景から、NUSXとZima Labsは研究事業化のためのAIエンジン「Nova」を共同開発しました。
Novaは、2万件超のNUSの特許および発明開示、9,000件の研究プロジェクト、1万1,000人の発明者に関するデータを活用します。権利化済みの一つの特許を数分で分析し、最新の市場情報に基づいてライセンス供与の可能性を評価するほか、候補企業の順位付けや提案書草案の作成、特許の制約や課題の提示を行います。これにより、事業化担当者はこれまで数週間かかっていた作業を数分で行えるようになります。
NUSXは、2026年7月にシリコンバレーのPlayground Global「The Studio」に初の拠点を開設したことに続き、第2の拠点をミュンヘンに設立します。さらに第3の拠点として、2026年第4四半期に上海での開設を予定しています。
欧州におけるプレゼンス強化に向け、UnternehmerTUMとのパートナーシップもサミット「A5X」で発表されました。初期段階ではバイオテック、AI、半導体に重点を置き、相互拠点、投資、人材育成の3分野で連携を進めます。NUS上級副学長(イノベーション・エンタープライズ)のタン・シアンウィー博士は、Novaが価値創出の可能性を特定し、グローバル拠点が事業機会を具体的取り組みへとつなげる支援を行うと述べています。
2035年に向けた目標と重点領域
これらの取り組みは、2035年までに以下の目標を達成することを目指しています。
- 年間売上1億米ドル超、または1,000人の雇用創出を実現するNUS発ベンチャーを少なくとも1社創出すること。
- NUS発ベンチャーを通じて、10億米ドルの財務的リターンを生み出すこと。
- 事業全体を通じて、10億人の生活向上に貢献するベンチャーを創出すること。
活動は主に、ディープテック・イノベーション重点領域の「Logic」(AIおよびソフトウェア)、「Pulse」(ヘルスケアおよびバイオテック)、「Resilience」(デュアルユース技術)を軸に進められます。あわせて「Matter」(物理科学、材料、半導体)も設定されています。第1回A5Xには主賓としてデジタル開発・情報省上級国務大臣のタン・キアットハウ氏を迎えたほか、Resilienceトラックの一環として、European Defense Tech Hub(EDTH)およびTUM Venture Labsと連携した「第1回Singapore Defense Tech Hackathon(SDTH)」が2026年9月25日から27日まで開催され、300人が参加しました。
組織概要
- 組織名:NUSX(旧NUS Enterprise)
- 主な実績(2001年以来):10社のユニコーン企業、3,000社超のスタートアップ、5,500人の学生を育成
- 関連URL:nusx.edu.sg
- 大学名:シンガポール国立大学(NUS)
- 規模:国内3つのキャンパスに15のカレッジ、学部、スクール、100カ国から4万人以上の学生
- 関連URL:nus.edu.sg
本記事はNUS Enterprise(NUSX)の発表をもとに作成されています。
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