NordVPN、ブランドや公的機関を装う2つの大規模詐欺を確認
サイバーセキュリティ企業のNordVPNの脅威インテリジェンスチームは、著名ブランドや公的機関への信頼を悪用した2つの大規模な詐欺を確認しました。今回の調査では、名称やロゴ、ウェブサイトの外観を模倣する従来のなりすましにとどまらず、利用者が正規サービスだと判断する際の安心材料まで悪用して警戒心を下げる手法が判明しています。
SNS広告から偽ストア経由で無許可カジノへ誘導
1つ目は、FacebookやInstagramの有料広告を通じて無許可のオンラインカジノへ誘導する手口です。広告にはGoogle Authenticator、Capital One、Disney+、Duolingo、デルタ航空といった実在する有名ブランドが使われており、タップすると正規アプリを装った偽のGoogle Playページが表示されます。偽ページには「4.9」の星評価や数千件の捏造レビューが掲載されていますが、アドレスバーのURLが「play.google.com」ではない特徴があります。
ページ上の「インストール」を押すと、ブランド名とアイコンを装ったPWA(プログレッシブウェブアプリ)がホーム画面に追加され、無許可のオンラインカジノへ誘導されます。また、広告審査の自動スキャナーには無害なページを見せ、実際のターゲットには誘導ページを表示する「クローキング」と呼ばれる仕組みで審査をすり抜けていました。
本手口における調査の数値規模は以下の通りです。
- なりすましに悪用されたブランド:400以上
- 偽広告キャンペーンを運用するアフィリエイト:約1,000人
- アフィリエイトが所属する広告運用グループ:250以上
- 実際のユーザーに無許可カジノへの誘導ページが表示された回数:7,261回
航空会社や政府機関を装い不正アプリで端末を遠隔操作
2つ目は、実在する航空会社や政府機関を装ったメッセージを送り、不正アプリによってスマートフォンを遠隔操作する手口です。SMS、WhatsApp、SNSなどを通じ、求人、税金の還付、身分証の更新、年金の確認、割引航空券などの名目でメッセージが送信されます。
リンク先の偽サイトからインストールを求められるAndroidアプリは、端末を遠隔操作するための不正アプリです。バックグラウンドで動作し続け、SMSや連絡先、通話履歴の読み取り、画面のキャプチャ、音声の録音、カメラの起動といった権限を要求します。特にSMSの読み取りを通じてワンタイムコードが取得されると、二段階認証を突破され、銀行アプリへのログインや取引の承認に悪用される恐れがあります。
本手口における調査の数値規模は以下の通りです。
- なりすましに悪用されたブランド・組織:65以上
- キャンペーンに関連するドメイン:100以上
- NordVPNが分析した不正アプリ:10件
- 少なくとも確認されている活動期間:2025年8月以降
- 確認地域:世界7地域(アジア、アフリカ、オーストラリア、中東、中南米、欧州など)
なりすましの対象には、フィリピン航空、マレーシア航空、エア・インディアのほか、インドネシアの税務当局「Coretax」、フィリピンの社会保障制度、タイの社会保障制度、ベトナムの社会保険機関・保健省などが含まれています。
信頼の悪用に備える3つの自己防衛策
NordVPNの最高技術責任者(CTO)であるマリユス・ブリエディス氏は、犯罪者が正規企業の信頼を利用する手口を「信頼のロンダリング」と表現し、日常的で脅威に感じにくい名目で不正アプリを導入させる危険性を指摘しています。
NordVPNは、利用者が警戒を怠らないための防衛策として以下の3点を挙げています。
- 広告やメッセージのリンクから、そのまま手続きを進めない
- アプリは公式ストアを自分で開いて検索する
- 一つの“安心材料”だけで安全だと判断しない
会社概要
- 会社名:NordVPN
- 本社:Fred. Roeskestraat 115 1076 EE Amsterdam, Netherlands
- 日本代表:小原拓郎
- NordVPNウェブサイト:https://nordvpn.com/ja/
- VPNについて:https://nordvpn.com/ja/what-is-a-vpn/
本記事はNordVPNの発表をもとに作成。
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