HPIが日本政策金融公庫から1000万円融資、フィジカルAI開発へ
九州工業大学の研究シーズを基盤にフィジカルAIとアシストスーツを開発するHuman Physical Intelligence株式会社(HPI)は、株式会社日本政策金融公庫八幡支店から「新規開業・スタートアップ支援資金」による1,000万円の融資を受けた。
福岡県北九州市に本社を置く同社は、大学との研究連携や介護現場との共創、外部支援の活用を通じて研究成果の実用化に取り組んでいる。今回の融資を事業基盤の強化につなげ、開発と社会実装に向けた取り組みを進める方針だ。
HPIは、人の身体特性や動作を捉えて個々に適した支援を行うロボットの開発を目指している。介護や物流などの現場向け汎用アシストスーツのほか、「介護動作を学び同調する」フィジカルAIを搭載した介護向けアシストスーツの開発を手がける。
身体支援機器の事業化にあたっては補助力だけでなく、装着時の負担や動きやすさ、現場での扱いやすさが求められる。同社はパッシブ型とアクティブ型の両方式に取り組み、人工筋肉を用いたアシスト機構も開発しながら、業務に応じた使い分けと運用方法の検証を進めている。また、社会福祉法人いわき福祉会との連携により、現場の知見を製品設計と運用づくりに反映している。

動作データの可視化とシミュレーション技術

同社が開発するフィジカルAIは人型ロボットにとどまらず、人の身体特性や動作を理解するAIとアシストスーツなどの装着型機器を組み合わせ、個別最適な身体支援の実現を目指すものだ。
ソフトウェアのデモ画面として、姿勢の変化と腰部への推定負担、アシスト条件の関係を画面上で確認できる「腰部負担シミュレーター」や、左右のリズムを表すモデルと感覚刺激、脚の動きの関係を可視化する「歩行シミュレーター」を展開する。介助者が現場で培ってきた暗黙知や当事者の個人特徴などをデータ化し、設計や制御に活用する考えだ。
外部機関による支援実績と今後の展望
同社はこれまでにも大学、自治体、財団からの支援を受けて事業基盤を整えてきた。今後はアシストスーツの開発に加え、現場で使い続けるための導入・運用モデルの検証を進め、有償実証や製品化、他施設への展開を目指すとしている。
これまでの主な支援実績は以下の通り。

- 2026年7月:九州工業大学が「九工大発スタートアップ」としての支援を決定
- 2026年9月:北九州市「企業変革・スタートアップ・グロースサポート事業」採択を公表(いわき福祉会やすらぎの郷との共創開発を推進)
- 2026年10月:三菱UFJ技術育成財団の研究開発助成金への採択と、助成金300万円の交付決定を公表
代表取締役CEOの樋口藍氏は、「大学の研究成果と現場の知恵をつなぎ、試作と検証を積み重ねながら、人の身体活動を支える技術を事業として社会に届けてまいります」とコメントしている。
会社概要
- 会社名:Human Physical Intelligence株式会社
- 代表者:代表取締役CEO 樋口藍
- 設立:2026年5月
- 本社所在地:福岡県北九州市戸畑区仙水町1-1 九工大未来テラス内
- 事業内容:人の身体活動を支援するロボット、アシストスーツおよびフィジカルAIの研究開発・プロダクト開発
- 公式サイト:https://www.humanphysical.ai/

本記事はHuman Physical Intelligence株式会社の発表をもとに作成。
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