Samsung、韓国のAI RAN実証でKTやSKテレコムと契約締結
サムスン電子株式会社は2026年9月23日、韓国科学技術情報通信部(MSIT)の「ハイパーAIネットワーク(Hyper AI Network)」構想に基づくAI RANプロジェクトについて、KTおよびSKテレコムと契約を締結したことを発表しました。同社はKTとのプロジェクトでは唯一のグローバルベンダーとして、SKテレコムのプロジェクトにはメインベンダーとして参画します。両プロジェクトは2026年10月に始動し、造船所や石油化学施設などの産業現場に5Gスタンドアローン(SA)方式のプライベートネットワーク環境を構築して検証が行われます。
造船所におけるAI搭載溶接ロボットの実証実験
世界的な造船メーカーであるHD現代三湖(HD Hyundai Samho)の霊岩(ヨンアム)造船所では、KTがフィジカルAIを活用したサービスの実証実験(フィールド試験)を実施します。溶接ロボットや塗装ロボットの運用から、通信設備を運用する自律型ロボットの活用まで多岐にわたる検証が行われる予定です。
このうちAI搭載の四足歩行溶接ロボットの実証において、Samsungは仮想化RAN(vRAN)、AIコア、AIアプリケーションで構成される統合型エッジAIプラットフォーム「Network in a Server(NIS)」や、ネットワーク自動化を実現する「Samsung CognitiV Network Operations Suite(NOS)」などのソリューションを提供してKTを支援します。NISはAMD EPYC™ 8004シリーズ・プロセッサを搭載したSupermicro製の汎用(COTS)コンパクト・エッジサーバーとWind River Cloud Platformを利用したvRANおよび5G SA(スタンドアローン)コア・ソフトウェアを稼働させます。
KT専務のJongsik Lee氏は、今回の取り組みについて、AIとネットワークが融合する次世代通信の在り方を検証する重要な出発点と位置づけている旨を述べています。

石油化学施設における自律型パトロールロボットの実証
SKテレコムは、首都圏のエネルギー拠点であるSK仁川(インチョン)石油化学でフィジカルAIサービスの実証実験を展開します。危険エリアを巡回する自律型ロボットや監視カメラ(CCTV)を活用したモニタリングシステムが含まれ、パトロールロボットが施設内を移動しながら高精細な映像をリアルタイムで転送し、AIによる分析で潜在的な危険を検知する体制の構築を目指します。
SamsungはSKテレコムに対してもエッジソリューション「NIS」を提供します。厳格な監視と正確な運用が求められる施設において、AIネイティブな接続環境が安全性と効率性をいかに向上できるかを検証する計画です。

SKテレコムのネットワークテクノロジーオフィス責任者であるTakki Yu氏は、実環境でのフィジカルAIサービス検証を通じて、政府の構想や政策を支える中核技術としてAI RANを進化・発展させていく考えを示しています。
6Gを見据えた技術基盤の確立へ
MSIT主導による両プロジェクトには、通信事業者やネットワークソリューションプロバイダー、業界パートナーが参加し、AI RAN、フィジカルAI、自律型オペレーションといった先端技術の実装を加速させるとともに、次世代通信規格「6G」への移行に向けた技術基盤の確立を目指します。
サムスン電子副社長 兼 ネットワーク事業部開発チーム長のJune Moon氏は、「実際の産業現場において、AI RANとフィジカルAIを組み合わせることは、未来のコネクティビティ社会の実現に向けた極めて重要なマイルストーンとなるでしょう」とコメントしています。Samsungは商用ネットワークで培った実績をもとに、通信事業者やパートナーとの連携を継続し、グローバル市場におけるAI活用サービスの普及を進める方針です。
本記事はサムスン電子株式会社の発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



