車載電子技術の標準化セミナー開催 約200名が参加
国際標準団体のグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションは、2026年10月22日(木)、「IPC Works ASIA 2026 オートモーティブセミナー」を国内総合代理店の株式会社ジャパンユニックスと共同で開催しました。会場とオンラインのハイブリッド形式で実施され、約200名が参加しました。自動車産業を支えるエレクトロニクス技術と国際基準に基づく標準化をテーマに、工程管理や環境対応、信頼性評価に関する各種講演が行われました。
株式会社ジャパンユニックス 海外営業部の川上信一郎は、「オートモーティブエレクトロニクスにおける自動はんだ付け~はんだボール発生要因と対策~」と題して講演を行いました。

講演では、動画や検証結果を用いながらはんだボールの主な発生要因と対策を解説し、はんだ付け動作の最適化やこて先のクリーニング、状況に応じた原因特定の重要性を紹介しました。あわせて、求められる品質を確保しつつサイクルタイムの短縮や工程管理の効率化を図ることが、はんだ付け工程全体の生産性向上につながると説明しました。

低炭素PCBソリューションとECU結露リスク評価
続いて、ROBERT BOSCH GMBHのUdo Welzel氏が登壇し、「持続可能なモビリティエレクトロニクスと低炭素PCBソリューション」をテーマに講演しました。自動車の電子部品やプリント基板(PCB)における製品カーボンフットプリント(PCF)の削減可能性について取り上げ、製品ライフサイクル全体を対象とした「10R戦略」や材料・プロセスの工夫による環境負荷低減、OEMを含むサプライチェーン連携の必要性を提示しました。また、PCFデータの円滑な交換と比較可能性を確保するために、ガイダンス文書や標準規格の整備が不可欠であると指摘しました。 詳細: https://www.japanunix.com/column/low-carbon-pcb/
さらにUdo氏は、車載電子機器の電気化学的信頼性に関し、電子制御ユニット(ECU)の結露耐性を定量的に評価する手法を紹介しました。電子回路基板上の結露はエレクトロケミカルマイグレーション(ECM)による故障につながるとされる一方、結露の発生要因だけでは故障リスクを過大に見積もるおそれがあるという課題に言及しました。実車測定や湿度シミュレーションによる分析結果や制御条件下での結露試験を紹介したうえで、液滴の画像解析、パーコレーション理論、モンテカルロシミュレーションを活用し、導電性の水分経路が形成される確率を予測してECM故障リスクを定量評価するアプローチを解説しました。 詳細: https://www.japanunix.com/column/ecu-condensation-risk/

IPCスタンダードの適切な活用と標準化委員会の活動
グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション 日本担当ディレクターの河野友作は、プリント基板実装(PCBA)に関するIPCスタンダードについて講演しました。IPC-A-610(電子組立品の許容基準)とJ-STD-001(はんだ付される電気・電子組立品に関する要求事項)の役割や関係性を整理し、IPC-A-610の運用で見られる誤解の具体例を挙げました。完成品の外観検査にとどまらず、材料選定・管理から実装、検査、工程改善に至る各工程でIPCスタンダードを活用し、製造工程全体で品質を確保する重要性を述べました。
当日の午後には、約40名の委員会メンバーが参加するIPC標準化委員会も開かれました。各グループからの提案事項に関する技術的ディスカッションやIPC APEX EXPOへの提出に向けた項目の確認・決定が行われたほか、Udo氏から最新の標準化や研究活動についての情報共有がなされました。
- 旧称IPCから進化したエレクトロニクス産業のグローバル代表機関(Global Electronics Association)
- 6兆ドル規模のエレクトロニクス市場に対応し、アジア太平洋、欧州、北米、中南米に拠点を展開
- 世界数千社以上の会員企業やパートナーと連携し、持続的なサプライチェーン構築や貿易推進、製造活性化、技術教育などを支援
- 公式サイト: www.electronics.org
本記事はグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションの発表をもとに作成。
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