東大、高齢者のヒップホップダンス継続が認知機能や歩行維持に関連と発表
東京大学先端科学技術研究センター身体情報学分野の研究グループが、エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社との産学連携のもと、高齢者のヒップホップダンス継続参加と認知機能や歩行機能の維持との関連に関する研究成果を発表した。一般社団法人日本国際ダンス連盟FIDA JAPANが運営するダンス健康クラブが本研究に協力した。ヒップホップダンスへの継続的な参加が、高齢者の全般的認知機能や歩行機能の維持に関連することが示されたとしている。





6都道府県のダンス健康クラブ登録チームが協力
調査には、65歳以上のダンス大会であるFIDA GOLD CUPに出場歴のある全国6チームが協力した。参加したのは、YDK65(青森県)、GOLD DRAGON(埼玉県)、狛江SCチャーミーズ(東京都)、FOREVER CHANCE!(神奈川県)、まかろん♪(大阪府)、JB Revolution大分(大分県)の各チームとなっている。参加者は各種測定およびアンケート調査に協力し、地域や活動環境の異なる対象からデータが収集された。


認知機能や歩行速度の良好な変化を確認
東京大学先端科学技術研究センター身体情報学分野の宮﨑敦子特任講師らの研究グループは、地域在住高齢者を最長3年・3時点で追跡した。6都道府県の高齢者102人(平均74.2歳、女性93%)をダンス継続群と対照群で比較したところ、ダンス継続群では対照群に比べて全般的認知機能が良好に保たれ、視空間認知と歩行速度で有意に良好な変化がみられた。
歩行速度の変化は歩幅の拡大ではなく、足を運ぶタイミングを示す接地時間の短縮として現れた。接地時間の短縮に加え、右股関節外転筋力と右片脚立位時間の改善がみられており、支持の安定性と足運びのタイミングの変化として歩行速度の変化が現れた可能性が示されている。なお、本研究は東京大学研究倫理委員会の承認(承認番号:21-304、24-259)のもとで実施された。
骨格筋量の維持には課題も
一方で、骨格筋量は対照群より有意に低下しており(p = 0.020)、ダンス単独では筋量維持に不十分な可能性も示された。研究グループは、得られた知見が高齢者の認知機能や歩行機能の維持を支える可能性を示すとともに、仲間とともに楽しみながら継続できる運動としての価値を示すものとしている。
論文および関連組織の概要
研究成果をまとめた論文情報および協力団体の概要は以下の通り。
- 雑誌名:Frontiers in Aging, section Interventions in Aging
- 題名:Hip-Hop Dance Participation and Cognitive, Gait, and Muscle Mass Outcomes in Community-Dwelling Older Adults: A Multi-Site Longitudinal Study
- 著者名:Atsuko Miyazaki, Takashi Okuyama, Hayato Mori, Kazuhisa Sato, Sawako Ono, Atsushi Hiyama
- DOI:https://doi.org/10.3389/fragi.2026.1862298
- 一般社団法人日本国際ダンス連盟FIDA JAPAN:東京都港区に拠点を置き、名誉会長を杉良太郎、会長を神田勘太朗が務める。ダンス健康クラブには2026年10月現在、21都府県41チームが登録している。
本記事は一般社団法人日本国際ダンス連盟FIDA JAPANの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



