イトーキと松尾研究所、854名の行動データから生産性推定モデルを構築
株式会社イトーキ(代表取締役社長:湊 宏司)は、株式会社松尾研究所(代表取締役:川上 登福)との生産性に関する共同研究において、AIを活用した「データ駆動型生産性推定モデル」を構築したことを発表しました。同社の本社オフィスで働く854名を対象に、会議やメール、オフィス内の移動など70種類の行動データを抽出・分析し、働き方と生産性の因果関係を探索しています。
70種類の行動データから生産性との因果関係を探索


人的資本投資の費用対効果の可視化や生産性改善が企業の課題となる中、同社と松尾研究所は2025年、オフィスワーカーの行動データを活用した共同研究を開始しました。従来の主観的なサーベイによる状態把握にとどまらず、心身の状態や組織内の人間関係を中間指標とし、生産性に影響する因果関係を明らかにすることを目指しています。
今回の研究では、2025年12月1日から12月31日までの期間、イトーキの本社オフィスで働く854名を対象にデータを取得しました。移動回数や会議の時間・数、メール・チャットの頻度など70種類の行動データを抽出し、「設計・開発・企画」「営業・サービス」「管理」の3職種に分けて分析を実施。時系列の因果探索手法「VAR-LiNGAM」を用いて、従業員一人ひとりの行動データから「今日の行動→翌日の状態」という時間差と因果の向きを検証しました。
会議の「数」や60分以上の集中時間がコンディションに影響
最新の分析結果では、3職種すべてにおいて、会議の総時間よりも「会議の数」が多い日ほど翌日の心のコンディション低下が確認されました。一方、会議などに中断されず60分以上集中して作業できた日は、全職種のうち88%の従業員で翌日の心のコンディション向上がみられました。
また、デジタルコミュニケーションにおいては発信と受信で異なる影響が判明しました。特に「営業・サービス」職ではメール・チャットの受信が多い日に組織内の人間関係や体のコンディション低下がみられた一方、自ら発信する行動は人間関係のコンディション向上に影響していました。なお、オフィス滞在時間の長さ、休憩エリアの利用回数、返信の速さ、デジタル接続時間の長さといった項目は、組織全体のアウトプットに対して一貫した因果がみられませんでした。

今後の展開
イトーキと松尾研究所は今後、本モデルを異なる職種、拠点、企業へ展開し、精度と適用範囲の向上を図る方針です。イトーキが培ってきたオフィス空間構築や運用のノウハウと組み合わせ、各企業の働き方に応じた施策提案を目指すとしています。
研究概要
- 研究名称:オフィスにおけるマルチモーダルデータ活用による生産性評価研究
- 研究担当:株式会社イトーキ、株式会社松尾研究所
- 研究分担:イトーキ(データ・従来モデル提供)、松尾研究所(データ分析・新モデル構築)
- 分析対象:本社オフィス従業員854名
- 分析期間:2025年12月1日~31日
- 分析方法:時系列の因果探索(VAR-LiNGAM)、職種別分析など
本記事は株式会社イトーキの発表をもとに作成しました。
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