ベーリンガーインゲルハイム、隠れた心血管リスク早期発見の国際ミッションを拡大
ドイツの製薬企業ベーリンガーインゲルハイムは2026年9月21日、隠れた心血管疾患(CVD)リスクの早期特定を目指す公衆衛生ミッション「Detect the SOS」をグローバルに拡大すると発表しました。高血圧や2型糖尿病のある患者に対し、臨床ガイドラインで推奨されている尿アルブミン/尿クレアチニン比(uACR)検査の普及を促します。欧州腎臓病患者連盟(The European Kidney Patients’ Federation)、Mended Hearts Europe、世界心臓連合(the World Heart Federation:WHF)と連携し、検査実施率のギャップ解消に取り組みます。
低いuACR検査の実施率と見過ごされるリスク
心血管疾患(CVD)と慢性腎臓病(CKD)は密接に関連しており、CVDだけでも全世界で毎年2,000万人以上が死亡しています。高血圧や2型糖尿病の患者において、血圧や血糖が管理されているように見えてもリスクが隠れているケースがありますが、CKDのリスクがある人々の半数以上はuACR検査を受けていません。
検査の実施率の低さは各国で顕著となっており、大規模な調査によると米国では高血圧と2型糖尿病の患者のうち21%しかuACR検査を受けていないことが示されています。また、100万人近くを対象にしたドイツの調査では、実施率が1%未満にとどまることが判明しています。
uACR検査によって特定されるアルブミン尿は、血管系への圧迫によってタンパク質が尿中に漏れ出している状態を示し、心臓発作、脳卒中、心不全などの危険信号となります。uACR値が≥30mg/gになると、心不全のリスクが90%以上、心血管死のリスクが70%以上、心臓発作および脳卒中のリスクが60%以上増加することが示されています。
米国ベイラー・スコット&ホワイト研究所で心血管研究員および医師を務めるJaved Butler教授は、心血管リスクのシグナルが見落とされがちである現状を指摘し、uACR検査を早期に臨床システムへ組み込む必要性を述べています。また、世界心臓連合(WHF)のシニアサイエンスアドバイザーを務めるPablo Perel教授は、uACR検査が見過ごされがちなリスクを可視化し、包括的な心臓の健康を支える手段になると説明しています。
国際パートナーシップを通じた「Detect the SOS」の展開
「Detect the SOS」ミッションでは、患者団体や専門組織が連携し、アルブミン尿の認知向上とガイドラインに基づく臨床行為を推進します。世界心臓デー(9月29日)や欧州委員会による初の「EUスクリーニングウィーク」(9月28日からの週)に合わせた活動を通じ、既存のプライマリーケア検診への検査導入を働きかけていく方針です。
連携パートナーの関連情報は以下の通りです。
- 欧州腎臓病患者連盟:ekpf.eu
- Mended Hearts Europe:mendedheartseurope.org
- 世界心臓連合:world-heart-federation.org
なお、日本におけるuACR検査は、糖尿病または糖尿病性早期腎症の患者で微量アルブミン尿が疑われる場合、3か月に1回を限度として保険が適用されます。
ベーリンガーインゲルハイムは、1885年の創業以来、株式を公開しない独立した企業形態を維持するバイオ製薬企業です。約5万4,300人の社員が130以上の市場で活動しています。
詳細情報は公式ウェブサイトで公開されています。
- ベーリンガーインゲルハイム:https://www.boehringer-ingelheim.com/
- ベーリンガーインゲルハイム ジャパン:https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
本記事はベーリンガーインゲルハイムの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



