ジェイテクトのC-EPSが国立科学博物館の未来技術遺産に登録
愛知県刈谷市に本社を置く株式会社ジェイテクトの「コラムアシストタイプ 電動パワーステアリング(C-EPS)」が、今年度の「未来技術遺産」として国立科学博物館に登録された。同製品は1988年にスズキ株式会社の軽自動車「セルボ」に搭載され、世界で初めて実用化および量産化を実現した電動パワーステアリング(Electric Power Steering、EPS)である。軽自動車の快適性向上や乗用車への普及による省エネ・燃費向上への寄与が評価されての登録となった。

開発の背景と登録の理由

1980年代、自動車の普及に伴い軽自動車の需要が拡大する中で、女性や高齢者にも運転しやすい自動車を目指してパワーステアリングの搭載ニーズが高まっていた。当時主流だった油圧式パワーステアリングは、エンジンの力で油圧ポンプを作動させる構造上、小型エンジンを積む軽自動車には負担が大きいという課題が存在した。
ジェイテクトは軽自動車向けの電動パワーステアリングとしてC-EPSを開発し、1988年にスズキ株式会社の軽自動車「セルボ」に搭載したことで、世界初となる実用化・量産化を達成した。軽自動車の快適性向上にとどまらず、その後の乗用車への搭載拡大によって省エネや燃費向上に大きく寄与した点が認められ、未来技術遺産への登録に至った。
EPSの展開と操舵技術の歩み
ジェイテクトが開発したEPSは1988年の誕生後、世界各国の自動車メーカーに広く採用され、2015年にはグローバル累計生産台数が1億台を突破した。同社は現在に至るまで、ジェイテクト調べにおいてEPS世界シェアNo.1のリーディングサプライヤーとして自動車づくりに貢献してきたとしている。
1988年の世界初EPS量産化から、2025年の操舵ユニットと転舵ユニットを機械的に接続しないリンクレスのステア・バイ・ワイヤシステム「Syncusteer™」(シンカステア)の量産化にいたるまで、同社は操舵技術の進化を通じてモビリティの可能性を広げてきた。C-EPSもその技術の系譜に位置付けられており、今後も車の曲がるを支えるソリューションとしてモビリティ社会の未来に貢献していくとしている。
未来技術遺産とは
未来技術遺産は国立科学博物館が定めた登録制度によって保護される文化財で、正式名称を「重要科学技術史資料」という。過去の科学技術史資料のうち、科学技術史において重要な成果を示し、未来へ引き継ぐべき遺産であるという意味で名づけられた登録資料の愛称である。日本の科学技術の発展に重要な意義を持つものを選定し、その保存を目的として登録を行っており、2008年10月9日に第1回が制定された。
本記事は株式会社ジェイテクトの発表をもとに作成。
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