OPEReと広島市民病院が患者説明DXで包括的パートナーシップ締結
患者説明DXシステム「ポケさぽ」を提供する株式会社OPEReは、地方独立行政法人広島市立病院機構 広島市立広島市民病院と、2026年7月10日に患者説明のデジタル化に関する包括的パートナーシップを締結した。両者は2023年10月のシステム導入以来、入院支援から退院後フォローまでのデジタル化を進めてきた。今回の提携により、腸瘻管理や自己注射の指導といった在宅医療の領域へ取り組みを広げる。

地域医療の環境変化と患者説明における課題
広島県では高齢化率が2025年の30.7%から2040年には35.3%へ上昇し、入院医療需要は2030年頃にピークを迎えるとされている(※1・2)。県内周辺地域の人口が2〜4割減少する一方、広島市の基幹病院へ患者や医療機能が集中する見込みだ(※3)。さらに2024年4月施行の医師の働き方改革や人材確保難が重なり、限られた人員で高度急性期医療を担う現場では業務効率化が求められている。
導入前の広島市民病院では、入院に関する質問が入院支援室に集中し、最も多かった「入院申込書の書き方」だけで4〜6月の3か月に393件の問い合わせが発生していた。定型的な説明の繰り返しにより患者固有の不安に対応する時間の確保が難しく、患者の理解度を把握しづらい点も課題となっていた。

導入2年半で得られた成果
広島市民病院は2023年10月、入退院支援室の予定入院患者を対象にポケさぽの利用を開始した。その後、各診療科外来や緊急入院、周産期、全病棟、通院治療室、退院後指導へと段階的に対象を拡大し、2023年10月〜2026年6月の累計登録者数は14,176名となった。
導入に伴い、以下のような成果が確認されている。
- 入院申込書に関する問い合わせが393件から89件へと約4分の1に減少
- 入院説明時間を短縮(入院支援室 6分/人、産婦人科外来 15分/人)
- 患者の理解度98.9%、満足度97.1%(2026年8月時点)
- 適用拡大により月あたりの登録者数が月平均345名から588名へと約1.7倍に増加
- 60〜70代の登録も多く、家族と一緒に視聴する使い方も定着
提携による今後の展開

今回のパートナーシップでは、現場の優先度が高い3領域から順次着手する。
- 腸瘻・在宅栄養管理の退院指導:管理方法の動画を入院中から退院後までLINEで段階配信
- がん相談支援センター・緩和ケア連携の早期介入:診断直後の時期に心理的サポートやACP(人生会議)の情報を配信
- 自己注射・薬剤指導のアドヒアランス向上:手技動画と副作用に関する情報をLINE上で提供
今後は病院のニーズに応じて糖尿病教育入院の効率化、ストーマ(人工肛門)ケア、入退院支援センター(PFM)における術前・麻酔説明などへ拡大し、将来的には退院後の服薬フォローやかかりつけ医連携を含む地域連携モデルへの発展を目指すとしている。
ポケさぽは、LINEを基盤に入院・外来・退院後の各タイミングで説明動画や資料を患者へ自動で届けるシステムで、2026年9月現在で全国約140以上の医療機関に導入されている。
株式会社OPERe
- 所在地:〒108-0073 東京都港区三田2丁目14−5フロイントゥ三田606
- 代表者:代表取締役CEO 澤田優香
- 設立:2020年6月
- 事業内容:患者と医療者のデジタルコミュニケーション手段の開発・提供
- URL:https://www.opere.jp/
- ポケさぽサービスサイト:https://www.opere.jp/poke-sup
本記事は株式会社OPEReの発表をもとに作成しています。 出典: ※1 広島県「第9期ひろしま高齢者プラン」および国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」 ※2 広島県「広島県の医療の現状と課題」 ※3 広島県健康福祉局「広島県の地域医療構想の取組について」
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



