箱根の松坂屋本店、戦時中滞在の元ドイツ兵遺族を祖父の回顧録独訳冊子でおもてなし
神奈川県箱根町で旅館や飲食店を展開する株式会社金乃竹が運営する「松坂屋本店」に、第二次世界大戦末期に同館へ滞在した元ドイツ兵の遺族が来館しました。

当時の館主の孫にあたる同館スタッフの松坂氏が、祖父の手書き回顧録を自らドイツ語へ翻訳・冊子化して贈呈するなどの特別なおもてなしを実施しました。2026年8月11日に実現したこの訪問では、ゆかりの地などを巡り、世代を越えた交流が行われました。

1通の宿泊予約から始まった再訪の物語
1662年(寛文2年)に箱根七湯のひとつ・芦之湯で創業した松坂屋本店は、第二次世界大戦末期に避難地・疎開地となった箱根でドイツ人兵士を受け入れた歴史を持っています。

2026年3月16日、同館にドイツから1通の宿泊予約が届きました。その備考欄には、1940年代に船の沈没を経て同館に約1年間滞在した父を持つ娘から、1990年代の松坂進氏との文通や2009年の自身の来訪を経て、今回は息子に父親が暮らした場所を見せたいという想いが記されていました。元ドイツ兵から娘、そしてその息子へと受け継がれた旅を受け、同館はおもてなしの準備を進めました。

先代の回顧録をドイツ語へ翻訳し冊子として贈呈

2026年8月11日、来館したご家族を迎えたのは、戦時中にドイツ兵を受け入れた当時の館主の孫である設備スタッフの松坂氏でした。松坂氏は普段は建物の維持や自家源泉の管理を担当していますが、当日は英語通訳スタッフとともに松坂家の代表として応対しました。
歓談の席で、松坂氏は当時の館主が遺した手書きの回顧録『箱根のドイツ兵の話』を、数ヶ月かけて自らドイツ語へ翻訳し写真とともにまとめた手作りの冊子をご家族に手渡しました。予期せぬ記録を受け取った家族は深い感銘を受けた様子を見せました。


室内で当時の写真や資料を囲んで歓談した後、一行は戦時中にドイツ兵たちが掘ったと語り継がれている「阿字ヶ池」を訪れました。さらに、当時この地で亡くなったドイツ兵であるツェーレル・テーオ氏のお墓参りも行われました。
約17年ぶりに再訪した娘様は、温かいもてなしや貴重な写真の提示に加え、父たちが掘った池や大切に手入れされているお墓に案内されたことへ深い感謝を示しました。また、スタッフの松坂氏は、祖父の回顧録を翻訳して渡せたことや直接話ができた喜びを語り、後日先代たちの墓前にも報告を行いました。

企業概要
株式会社金乃竹および金乃竹リゾートの概要は以下の通りです。
- 会社名: 株式会社金乃竹
- 本社所在地: 神奈川県箱根町
- 代表者: 代表取締役社長 八幡 正昭
- 沿革: 1947年に神奈川県箱根町仙石原で最初の温泉旅館を開業。1999年に貸切露天風呂のサービスを開始
- 事業内容: 旅館5施設、飲食店4店舗の運営および新規事業
本記事は株式会社金乃竹の発表をもとに作成しています。
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