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アストロスケール、デブリ除去ADRAS-J2の打上げで欧州企業と契約締結

宇宙ごみ(スペースデブリ)除去を含む軌道上サービスを手がける株式会社アストロスケールは、デブリ除去ミッション「ADRAS-J2」の打上げについて、欧州のロケット打上げ事業者であるIsar Aerospace SE(アイザー・エアロスペース)と契約を締結した。ADRAS-J2は、Isar Aerospaceの打上げロケット「Spectrum」を使用し、ノルウェーのAndøya Space Centerの専用打上げ施設から2027年度に打ち上げられる予定だ。この取り組みは、実際に軌道上に存在する大型デブリに接近・捕獲して除去する世界初(※)の本格的デブリ除去ミッションとなる。

※自社調べ(2026年7月時点、国内外の宇宙機関・事業者等の公開情報の範囲で調査)

JAXAの商業デブリ除去実証として大型デブリを捕獲・除去へ

ADRAS-J2ミッションは、大型デブリ除去などの技術実証を目指す国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「商業デブリ除去実証(CRD2)」フェーズIIとして開発・実施される。長期間軌道上に存在する日本のロケット上段(全長約11メートル、直径約4メートル、重量約3トン)に対して接近、捕獲、軌道離脱を行い、その除去を実証する計画だ。同プロジェクトは、JAXAから技術アドバイスや試験設備の供用、研究成果知財の提供を受けて実施されている。

アストロスケール代表取締役社長兼CEOの岡田光信氏は、このミッションについて、長年増加し続けてきたデブリの数を本格的に減らす段階へと踏み出す挑戦であり、持続利用可能な宇宙環境の実現に向けた技術確立や国際的なルール形成の進展に貢献するものと期待を寄せている。

柔軟な軌道投入が可能な「Spectrum」ロケットを採用

ADRAS-J2を打ち上げる「Spectrum」は、Isar Aerospaceが独自に設計・製造する小型・中型衛星向けの軌道投入ロケットである。低軌道(LEO)への最大1トンのペイロード投入能力を備え、ミッション固有の軌道要件に応じた柔軟な宇宙輸送に対応するよう設計されている。高精度な軌道投入が求められるADRAS-J2のような複雑なミッションにおいて有効とされている。また、Isar AerospaceはADRAS-J2の打上げ前にも複数の打上げを予定している。

Isar Aerospace Chief Commercial OfficerのStella Guillen氏は、今回の契約が同社のチームと技術に対する信頼の証であり、次世代の宇宙ミッションの実現に向けた協力関係を強化するものとしている。

前身ミッションの成果を活かし現在は衛星の組立製造を進行

ADRAS-J2は、アストロスケールが2024年にCRD2のフェーズIとして実施した「ADRAS-J」の後続ミッションにあたる。ADRAS-Jでは世界で初めて、実際のデブリに対して遠距離からの接近や近距離での撮影、50メートルの距離を維持した周回観測、15メートルまでの極近傍接近、衝突回避機能の実証などに成功した。

ADRAS-J2の捕獲・除去対象は、ADRAS-Jで接近や撮影に成功したデブリと同一のものである。前回のミッションにおいて、捕獲箇所として想定している衛星分離部(PAF:ロケットと衛星をつなぐ台座)の状態把握に成功し、大きな損傷が見られないことが確認されている。ADRAS-J2ではこれらの知見を活かして接近技術を成熟させており、現在は打上げに向けた衛星の組立製造が進められている。

企業概要

  • 株式会社アストロスケール:軌道上サービスの提供を手がけ、故障機や物体の観測・点検、衛星の寿命延長、修理・アップグレード、デブリ除去などのソリューションを展開。本社および研究開発拠点の日本をはじめ、英国、米国、フランス、イスラエルでグローバルに事業を展開している。
  • Isar Aerospace SE:2018年設立。ドイツ・ミュンヘン近郊に本社を置き、小型・中型衛星および衛星コンステレーション向けの打上げサービスを提供。ロケットの開発、製造、試験を一貫して自社で行っている。

本記事は株式会社アストロスケールの発表をもとに作成。

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