女将塾、自社開発のAI経営基盤を全27宿で提供開始
全国13県で温泉旅館やホテル27宿を運営する株式会社女将塾は、自社開発したAI経営基盤「YADORIE Core(ヤドリエ コア)」の提供をグループ全27宿で2026年11月3日より開始しました。同社は2026年10月1日にグループブランド「YADORIE 宿GROUP(ヤドリエ ヤド グループ)」を始動させており、それに続く取り組みとなります。宿ごとの運営データを単一のデータベースに蓄積・統合し、AIが宿ごとおよび全社横断で分析する体制を整えました。


多ブランド経営を支えるデータ統合とAI分析
日本の温泉旅館は、後継者不在や経営判断に時間を割きにくい構造、集客・収益構造の変化に直面しています。女将塾は「日本の温泉旅館を元気にする!」をミッションに掲げ、1312年開湯の温泉宿から古民家を改装した町家ホテルまで、5室から115室に及ぶ多様な宿を運営してきました。看板やサービスを統一して標準化する一般的なグループ化とは異なり、屋号や価格帯、料理、建物のばらつきそのものを強みとするブランドコンセプト「宿の数だけ、ストーリー。」を掲げています。
屋号や客層が異なる多ブランド経営は管理コストが高くなりやすく、宿泊業界ではデータがツールごとに分断される課題がありました。そこで生成AIを活用し、宿ごとに異なる業態や単価帯、規模、ブランドの方向性を踏まえた個別分析と、全社横断の分析を同時に行う基盤としてYADORIE Coreを構築しました。本部の管理だけでなく、支配人が自宿のデータをAIとともに読み解けるよう各宿の画面にも分析機能を組み込んでいます。
段階的に進む機能展開とナレッジ共有

2026年11月3日から提供している機能は、宿ごとのコンセプトや守るべきこと・やってはいけないこと(NG)を登録するブランド管理をはじめ、会議記録・取組管理、予算・予実管理、顧客満足度管理などです。売上分析機能は日別や客室別、前年同日比較などを備えており、データ連携が完了した24宿から先行して提供を開始し、残る3宿にも順次展開します。なお、蓄積するのは宿の運営に関わるデータであり、顧客の個人情報は保持しない設計です。
今後は2027年1月よりシフト管理・生産性管理や全社マーケティング指標の一覧化、課題抽出や打ち手を提案する全社分析機能の提供を予定しており、現在はテスト運用を進めています。さらに2027年4月からは、水道光熱費分析やレベニューコントロール機能の提供を予定しています。また、各宿の良い取り組みや失敗の記録を他の宿でも活かせるナレッジマネジメント機能も導入されています。
生成AIを用いた開発体制と2030年に向けた展望

YADORIE Coreの開発は、業務と経営を熟知する同社取締役経営企画部長が生成AI(AIコーディング)を活用して実装し、外部技術顧問が設計やセキュリティなどの技術面を監修する2名体制で進められました。これにより、2026年6月中旬から約4ヶ月半で構築を実現しました。同社代表取締役の三宅大功氏は、屋号を変えずに個性を磨き続ける手法について「手間のかかる道でもありました。YADORIE Coreは、その道をデータの裏付けをもって歩み続けるための基盤です」とコメントしています。
女将塾は2030年に60宿体制を目標としており、M&Aや事業承継による宿の受け入れを継続する方針です。承継した宿を短期間でグループ共通の経営基盤に載せるPMI基盤として運用していきます。なお、YADORIE Coreの外部販売は行わない方針ですが、運営受託先など提携関係にあるパートナーへの提供は検討しているとしています。
株式会社女将塾 会社概要
- 商号:株式会社女将塾(Okamijuku Inc.)
- 創業/法人設立:1996年4月13日(女将派遣事業として創業)/ 2004年8月20日
- 本社:東京都千代田区神田錦町3丁目23番 神田錦町安田ビル11F
- 代表者:代表取締役 三宅大功
- 事業内容:旅館・ホテルの直接経営、運営受託、運営コンサルティング
- 従業員数:900名超(2026年10月時点)
- 直営施設:全国27施設(13県)
- グループブランド:YADORIE 宿GROUP(ヤドリエ ヤド グループ)/コンセプト「宿の数だけ、ストーリー。」
- URL:https://yadorie.com / https://okamijuku.com
本記事は株式会社女将塾の発表をもとに作成されています。
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