ジェイテック、iPSから神経堤細胞への分化手法を検証 CD271陽性率90%超
株式会社ジェイテックコーポレーションは、3次元回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS」と細胞小片化装置「CellPet FT」を組み合わせ、ヒトiPS細胞から神経堤細胞を分化誘導する手法を検証しました。本検証の実験は大阪大学 理化学研究所科学技術融合研究センター 特任准教授の松井翼氏が実施し、詳細をまとめた技術資料を同社ウェブサイトで公開しています。

細胞塊の小片化と回転浮遊培養を行ってサイズを揃えた結果、神経堤細胞マーカーCD271の陽性率は90%を超えました。
3次元培養の課題と検証の成果
iPS細胞を用いた研究では生体内の環境に近い3次元培養による分化誘導が広く用いられている一方、細胞塊のサイズにばらつきが生じやすく、内部まで栄養や分化誘導因子が届きにくくなるなど、分化効率の安定性に課題があります。株式会社ジェイテックコーポレーションは、細胞塊のサイズを一定の範囲に保ちながら培養を続けられるシステムとして「CELLFLOAT」シリーズを展開しています。
今回の検証では、小片化と回転浮遊培養を行うことで直径300 μm前後を中心に分布する細胞塊が形成されることを確認しました。フローサイトメーターによる評価では、分化9日目の1231A3株で92.2%、分化7日目の201B7株で90.4%のCD271陽性率を記録しています。


2台の装置を交互に用いる技術概要
本手法では、培養容器を回転させて細胞塊を浮遊状態に保ちながら培養する「CellPet 3D-iPS」と、大きくなった細胞塊を一定のサイズに小片化する「CellPet FT」を交互に使用します。
回転浮遊培養で育った細胞塊をCellPet FTで小片化し、再びCellPet 3D-iPSで培養する工程により、細胞塊のサイズを揃えたまま分化誘導を進めます。サイズを揃えることで細胞塊の内部まで栄養や分化誘導因子が行き渡りやすくなり、分化効率の向上につながったと考えられています。
想定される用途と今後の展望
本手法は、神経堤細胞を用いた発生・分化研究や再生医療に向けた基礎研究のほか、創薬研究における細胞評価やスクリーニング用の細胞調製といった用途での活用が期待されています。
同社は今後、他の細胞種への分化誘導やさらなるスケールアップ条件の検証を進め、「CELLFLOAT」シリーズのアプリケーションを順次公開していく予定としています。なお、本製品および本手法は研究用であり、診断・治療目的には使用できません。
株式会社ジェイテックコーポレーションの概要
- 本社:大阪府茨木市彩都やまぶき2-5-38
- 代表取締役社長:津村 尚史
本記事は株式会社ジェイテックコーポレーションの発表をもとに作成されています。
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