徳島大学、3Dマップ上で津波の浸水過程と水流を可視化する新プログラムを開発
国立大学法人徳島大学の大学院社会産業理工学研究部にある光原弘幸教授の研究室は、3Dマップ上で津波の浸水過程や水流を直感的に可視化できるプログラムを新たに開発した。同研究部の馬場俊孝教授が開発した高精度・高速津波シミュレータ「JAGURS」を用いて解析を行う。本開発は、徳島大学と美波町が平成25年7月1日付で締結した連携協定に基づき、美波町で進められている国土交通省の都市空間情報デジタル基盤構築支援事業(以下、PLATEAU 補助制度)のユースケース製作として進められた。
開発の背景と従来の課題
安全な避難行動を確保するためには、各地点への津波到達時間を正確に予測することに加え、津波の流れの方向や強さといった動きを把握することが極めて重要とされる。しかし、従来の2Dハザードマップでは、これらを直感的かつ分かりやすく示すことが困難であった。
3Dマップ解析による精度向上と水流の可視化
今回新たに開発されたプログラムでは、美波町地域の実際の構造物を再現した3Dマップ上で解析を行うことで、主に以下の2点を実現している。
- 津波到達予測の精度向上: 構造物が津波の流れに及ぼす影響を解析に取り込むことで、より実態に近い津波到達時間や挙動の予測が可能となった。
- 水流の可視化: 津波の流れの方向や強さを微細なドットや流線として3Dマップに重ね合わせることで、津波の動きを直感的に把握できるようにした。
今後の展開と徳島県内での連携
美波町では、PLATEAU 補助制度による3Dマップデータを用いて、構造物の影響を加味した高精度な津波シミュレーションの可視化を実現している。一方、本プログラムは、そうした3Dマップデータがない場合でも津波の動きを視認性の高い形で可視化できる。今後は関心のある自治体との協業を進め、徳島県内の広い地域で津波予測と可視化を行える体制の構築を目指すとしている。
また、美波町との取組については、令和6年度に徳島大学が採択された「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」からの支援を受け、今年度から研究・開発をさらに進める予定となっている。従来から美波町の小学校で実施しているタブレットを用いた避難訓練などとも連携し、防災や観光を通じた美波町の地域づくりを加速させていく方針だ。
関連情報
- 国立大学法人徳島大学: https://www.tokushima-u.ac.jp/
- 徳島大学×J-PEAKS: https://www.iphf.tokushima-u.ac.jp/
本記事は国立大学法人徳島大学の発表(令和8年10月30日付)をもとに作成。
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