NPO法人Fineの子宮移植調査 当事者ら24名回答、手術への関心は50%
不妊治療患者などを支援するセルフサポートグループのNPO法人Fineは、「子宮移植に関するアンケート2026」の調査結果を公表しました。調査にはロキタンスキー症候群の当事者20名を含む24名が回答し、診断時の心境や子宮移植に対する関心、相談環境などの現状が明らかになりました。
診断時の平均年齢は16.7歳 将来への葛藤を抱える回答者
回答者24名の内訳は、ロキタンスキー症候群の当事者20名(83%)、当事者の親2名(8%)、当事者のパートナー1名(4%)、無回答4%でした。回答者の年齢は14~61歳で平均は36.7歳、当事者が初めて診断を受けた時の年齢は7~20歳で平均16.7歳でした。現在の状況は「未婚」46%、「既婚だが、子どもはいない」29%、「既婚で、子どもがいる」17%などとなっています。
子どもを望むかという質問には「はい」28%、「いいえ」22%、「わからない」33%、「その他」17%となりました。「はい」と答えた人が望む方法(複数回答)は、「代理出産」と「子宮移植」がそれぞれ60%、「養子縁組」「里親」がそれぞれ20%でした。自由記述では、思春期の診断時に結婚や家族形成への絶望感や不安を抱いた経験や、情報と選択肢を求める意見が寄せられました。



子宮移植への関心は50% リスク認知と希望の分かれる現状
子宮移植手術への興味を尋ねたところ、「はい」50%、「いいえ」21%、「その他」21%、無回答が8%でした。興味がある人に手術や妊娠・出産に関する認知度を聞いたところ、「手術の成功率(2026年現在)」と「手術後妊娠しなかった場合のこと」について、それぞれ50%が「わからない」と回答しました。「妊娠した場合、妊娠後期は管理入院になること」「子宮温存のための免疫抑制剤投与」についても、それぞれ42%が「わからない」としています。



リスクを踏まえても手術を望むかという設問では、「はい」「いいえ」「わからない」が各33%に分かれました。同法人が2014年末~2015年初めに実施したアンケート(n=11)では「興味がある」が91%、「希望する」が50%でしたが、対象者や人数が異なるため単純な比較はできないとしつつ、関心や希望が多様化している様子がうかがえます。



情報源はインターネットが79% 相談窓口や理解を求める声

病気についての情報源(複数回答)は、「インターネット検索」が79%で最も多く、「LINE」33%、「X」17%、「Instagram」8%と続きました。相談相手(複数回答)は「実母」75%、「パートナー」63%、「医師」50%、「きょうだい」25%となりました。自由記述では正しい最新情報の取得の難しさや、周囲への相談のしづらさについての言及がありました。
社会や法制度に対しては、病気の認知向上や相談窓口の充実、心理的支援、多様な家族形成の選択肢などを求める声が挙がっています。NPO法人Fineファウンダー/理事の松本亜樹子は、希望の有無にかかわらず十分な情報を得て自分に合った選択ができ、それが尊重される社会の必要性を示しています。
調査の概要
今回のアンケートの概要は以下の通りです。なお、任意回答による小規模調査のため、結果は当事者全体の意識や実態を示すものではないとしています。
- 調査目的:ロキタンスキー症候群当事者等の生活上の思い、家族形成への考え、子宮移植への意識、情報・相談環境の現状を把握し、必要な支援や社会的課題を考えるため
- 調査期間:2026年7月9日~8月15日
- 調査方法:WEBアンケート。自由回答を含む全22問
- 対象者:ロキタンスキー症候群の当事者または近親者
- 回答数:24
- 設問:https://j-fine.jp/activity/enquate/shikyu-ishoku_anketo.pdf
本記事はNPO法人Fineの発表をもとに作成しました。
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