NEXTESの蓄電池、中国の3,000トン級電動貨物船天和電1に納入
株式会社NEXTESの100%子会社である上海翼飛天地電控科技有限公司は、中国大手電力会社グループの関連会社が自主開発・製造した3,000トン級電動貨物船「天和電1」に蓄電池を納入しました。納入された蓄電池はNEXTESが開発・製造したもので、860kWh×5台、合計4,300kWhの規模となります。本船は2026年6月14日に進水式を挙行しました。
中国で進む船舶電動化への対応とカスタム設計
中国では内航船の脱炭素化に向け、内燃機関から電動への転換が進められており、長江流域を中心に電動貨物船の導入が拡大しています。船舶の電動化においては、大容量の蓄電池を揺れや振動、湿度の高い環境下で安全に運用する技術が求められます。
今回納入された蓄電池は、発電所へ石炭を輸送する船舶の安全要件に対応するためカスタム設計が行われました。電池パックには防爆構造が採用され、電池セル・モジュール・システムの3つの階層で状態を監視・制御する構成とすることで、安全性と信頼性の両立が図られています。日本国内でも今後内航船を中心に船舶電動化が進むと見込まれており、NEXTESは中国市場で得た大容量電池システムの実装知見を国内展開に生かしていく方針です。


採用の決め手となった独自の電池制御技術
今回の採用にあたっては、NEXTESが独自に開発した電池制御技術が評価されました。一般的な蓄電池ではエネルギーを放出してセル間のバランスをとる方法が多く用いられますが、NEXTESの技術は電池セル間でエネルギーを移動させて充電量のばらつきを整える仕組みを採用しています。これにより電力を捨てることなく使い切ることが可能となり、電池全体の利用効率向上や長寿命化、安定した長期運用につながります。
この電池制御技術は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業」を通じて中核となるACB(アクティブ・セルバランサー)を開発するなど、公的支援を受けて開発されたものです。
中国市場での実績と今後の展開
NEXTESは上海翼飛天地電控科技有限公司を通じて中国で定置用蓄電池の導入を進めており、2026年9月時点でおよそ10か所の導入実績があります。今回の電動貨物船への納入は、これらの実績で培った技術を船舶分野へ広げた事例となります。同社は今後も船舶をはじめとする多様な分野へ持続可能な電源ソリューションを提供していくとしています。
納入した蓄電池の概要
- 運転開始時期:2026年6月
- システム規模:860kWh × 5台(合計4,300kWh)
- 搭載船舶:3,000トン級電動貨物船「天和電1」
- 用途:電動船舶(発電所向け石炭輸送)
- 特徴:安全要件に対応したカスタム設計。電池パックの防爆構造と、電池セル・モジュール・システムの3階層で監視・制御する構成を採用
株式会社NEXTESについて
東京都世田谷区若林一丁目18番10号 京阪世田谷ビル6Fに本社を置く株式会社NEXTES(代表取締役:井上 真壮、旧NExT-e Solutions株式会社)は、2008年5月8日に設立されました。リチウムイオン電池の次世代バッテリーマネジメントシステム(BMS)および同BMSを用いた蓄電池システム等の設計・開発・製造・販売、アグリゲーター事業、エネルギークラウドサービスを展開しています。
本記事は株式会社NEXTESの発表をもとに作成しました。
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