パルシステムが栽培基準エコ・チャレンジを改定 10月から新基準の青果供給へ
パルシステム生活協同組合連合会は、独自の農産物栽培基準「エコ・チャレンジ」を改定し、10月から新基準に沿って栽培された青果の供給を開始します。深刻化する気候変動や生産者の高齢化が進む中、持続可能な生産環境をつなぐため、削減目標とする農薬などの基準を変更しました。環境保全と生産現場の持続可能性を両立させる基準への刷新となります。
酷暑による労働負荷の軽減と持続可能な生産を目指す
パルシステムでは、化学合成農薬や化学肥料の使用を各都道府県の慣行栽培基準の半分以下に抑え、独自の「削減目標農薬」の不使用を原則とする「エコ・チャレンジ」基準を設けてきました。しかし近年は、急激な温暖化による雑草の繁茂や病害虫の多発、農業従事者の減少と高齢化により、従来の栽培方法を維持することが困難な産地が増加しています。特に連日の酷暑下における手作業での除草は、生産者の健康リスクを高める要因になっていました。
こうした課題を解決するため、新基準では畑や果樹園などでの除草剤の使用を一般的な特別栽培基準の範囲で許容します。これにより労働負荷を軽減し、生産者が安全に農業を継続できる環境を整えるとしています。
GAPの考え方を導入し化学合成農薬や化学肥料の削減は維持
青果の新基準では除草剤の使用を一部認める一方、化学合成農薬と化学肥料を5割以下に削減する基本原則は堅持します。生態系への影響が大きいとされる「土壌くん蒸剤」についても引き続き不使用とします。
また、農産物や生産者の安全管理のため、適正な農業規範(Good Agricultural Practices:GAP)の考え方を導入し、農薬使用の事前計画作成と記録の徹底をルール化します。圃場外の除草剤使用を「エコ・チャレンジ」のカウント対象外とすることで電気柵などの管理負担を軽減しつつ、当該圃場への農薬飛散防止対策を講じて周辺の自然環境と調和した農業を推進します。
約25年にわたる取り組みと利用者・生産者との対話
「エコ・チャレンジ」基準の策定は、1998年に開始した農薬削減プログラムがきっかけとなりました。2002年の制定以降、環境保全型農業と安定生産の両立を支援し、2025年度には青果の総出荷量のうち19.4%(7,558トン)を占める主要生産物に成長しています。
今回の改定にあたっては、2024年度から生産者や利用者とのべ25回直接意見を交わす場を設け、生産現場の現実と消費者の視点の相互理解のもとで新たな基準を策定したとしています。
新基準における変更点と維持される基準
新基準の主な内容は以下の通りです。
【新基準でも変わらないこと】
- 化学合成農薬、化学肥料の使用回数を各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に削減
- 土中の微生物を守るため、土壌くん蒸剤(土壌中の虫や菌の駆除または除草目的に使用される農薬のうち、ガス化された農薬のこと)は不使用
【新基準の変更点】
- 農薬の使用回数の制限内で「除草剤」の使用が可能
- 消毒なし種子の入手が極めて難しい現状を考慮し、青果の種子消毒は、農薬使用回数のカウント対象外に変更
- 「削減目標農薬」の対象成分を見直し
発表元の概要
パルシステム生活協同組合連合会の概要は以下の通りです。

- 所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿
- 理事長:渋澤温之
- 規模:12会員・統一事業システム利用会員総事業高2,689.6億円/組合員総数177.0万人(2026年3月末現在)
- 会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、あいコープみやぎ
- ホームページ:https://www.pal-system.co.jp/
本記事はパルシステム生活協同組合連合会の発表をもとに作成しました。
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