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小児アレルギー性鼻炎で症状の強さと関連する免疫細胞を特定 千葉大

千葉大学大学院医学研究院の山本健助教らの研究グループは、15歳以下のこどものアレルギー性鼻炎において、原因となるダニやスギ花粉に反応する特定の免疫細胞が鼻症状の強さと密接に関連することを明らかにしました。従来の検査では捉えにくかった症状の程度に関連する免疫反応を、血液中のアレルゲンに反応するT細胞を測定する新たな解析方法で検出しています。本成果は、将来的にアレルギー性鼻炎の病状評価や治療効果の判定精度の向上などにつながる可能性があります。

従来の検査では難しかった症状強度の客観的評価

アレルギーの原因を調べる検査としては「アレルゲン特異的IgE」や「スキンプリックテスト」などが広く用いられていますが、その値は必ずしも実際の鼻症状の強さや重症度とは一致しません。そのため、症状の程度を客観的に評価できる新たな免疫学的指標が求められていました。そこで研究グループは、アレルギー反応に関与するT細胞に注目し、特定のアレルゲンに反応する記憶CD4陽性T細胞を血液から検出する方法を用いて、鼻症状との関連を検証しました。

特定のT細胞頻度と鼻症状スコアに強い相関

研究では、ダニによるアレルギー性鼻炎の小児20例、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎の小児19例を解析しました。対象患者の年齢はいずれも15歳以下で、中央値は9歳でした。末梢血を各アレルゲンで約16時間刺激し、Activation-Induced Marker assay(AIM assay)を用いて、CD154とCD137を発現する記憶CD4陽性T細胞(peff-mCD4細胞)の頻度を測定しました。

その結果、peff-mCD4細胞の頻度と鼻症状スコアとの間に強い正の相関が認められました。鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻のかゆみの4項目を合計0〜12点で評価する総鼻症状スコア(TNSS)との相関係数は、ダニで0.835、スギ花粉で0.769となり、多重比較を考慮した解析においても統計学的に有意でした。

一方、今回の解析において、アレルゲン特異的IgE値と鼻症状スコアやpeff-mCD4細胞の頻度との間には統計学的に有意な相関が認められませんでした。この結果は、T細胞を用いた免疫学的解析が、従来のアレルゲン特異的IgE検査などと異なり、症状に関連した新たな情報を提供する可能性を示しています。

今後の展望と研究の位置づけ

研究グループは、従来の検査とは異なる視点から病状を評価できる重要な成果としたうえで、今後はさらに対象者を増やして結果の再現性を検証するとともに、アレルゲン舌下免疫療法などの治療前後におけるT細胞の変化を解析し、治療効果を評価する指標としての有用性を明らかにしたいとしています。なお、本研究は少数例による単施設の探索的研究であり、現時点で本解析法が臨床検査として確立しているわけではないとしています。

発表論文の概要

  • タイトル:Peripheral effector-memory CD4+ T cells reflect clinical symptom burden in pediatric allergic rhinitis
  • 著者:Takeshi Yamamoto, Eri Hayata, Terumi Ikarashi, Haruna Tokitomo, Katsuki Tanaka, Azusa Hiraoka, Kenta Zushi, Kei Watanabe, Toshiyuki Kobayashi, Taiji Nakano, Hiromichi Hamada
  • 雑誌名:Pediatric Allergy and Immunology
  • 公開日:2026年10月15日
  • DOI:10.1111/pai.70509
  • 支援:日本学術振興会科学研究費助成事業(JSPS KAKENHI JP23K14939)

本記事は千葉大学の発表をもとに作成しました。

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