パルシステム連合会が農業学習会を開催 生ごみ堆肥化や持続可能な地域づくりを議論
パルシステム連合会、パルシステム生産者・消費者協議会、パルシステム協力会は2026年11月2日、学習会「日本の農業の未来を考える~持続可能な社会の実現に向けて~」を共催しました。気候変動や価格高騰など農業環境の厳しさが増す中、農業と食卓の関係の在り方について再考する場となりました。
特別講演:生ごみ堆肥化による循環型社会の構築
学習会は東京都千代田区の主婦会館プラザエフで開催され、オンライン中継も含めてパルシステムグループ役職員や産直契約産地などの取引先関係者ら191人が参加しました。農業生産者で「令和の百姓一揆」実行委員会代表を務める菅野芳秀さんが特別講演を行い、自身が農業を営む山形県置賜地区での活動をもとに農業と地域、暮らしの在り方を提起しました。
菅野さんは1997年、家庭の生ごみを回収してたい肥化する「レインボープラン」の実現に中心的な役割を果たした人物です。現在も長井市内の5千件から生ごみを回収しており、製造されたたい肥で栽培された農作物は学校給食などに活用されています。
たい肥化導入の根拠として菅野さんは、1954年と2000年の食品成分表を比較し、野菜の栄養素の変化を提示しました。例としてピーマンに含まれるビタミンAが100gあたり600マイクログラムから33マイクログラムへと大きく減少している点を挙げ、その要因を「たい肥から化学肥料へ移行した農業の転換」と推測しています。

レインボープランで回収した生ごみには異物がほとんど入っていないといい、その理由について菅野さんは「『捨てる』でなく、育った作物を食べ、自らの体に帰ってくるからです」と説明しました。その上で、実現には思想信条を超えた連携が不可欠だったとし、大規模農家や家族農業、家庭でのプランター栽培などがそれぞれ認め合う文化をつくる必要性を示しました。
産直と地域づくりの未来像を語るパネルディスカッション
基調講演では、パルシステム連合会の渋澤温之理事長が産直活動の経緯や、地域社会の変化に対応する未来像として「地域づくり」の課題を挙げました。
続いて行われたパネルディスカッションには、菅野さん、渋澤理事長に加え、新世紀JA研究会の萬代宜雄・特別相談役名誉代表、萩谷茂・JA茨城県中央会農業政策アドバイザー、小野寺紀允・庄内協同ファーム代表理事が登壇し、農業と産直の未来像について意見を交わしました。

コーディネーターを務めたパルシステム連合会元理事長の山本伸司さんから現状を問われた小野寺さんは、高齢者の離農を引き受ける形で耕作面積が拡大し若手が多忙を極めている状況を挙げつつ、体験や援農などを通じて関係人口が増えることで交流から新しいアイデアが生まれる可能性に言及しました。
また、萩谷さんは茨城県北部で拡大する有機栽培の事例を取り上げ、ソーラーシェアリングを活用した気候変動対策と収入確保の両立を提案しました。萬代さんは中山間地の農業を維持する必要性を訴え、菅野さんは理解を広げるために多様な形で農業に関わる機会の重要性を説きました。
これらの議論を受け、渋澤理事長は人任せにせず当事者として実践することには時間とエネルギーを要するとしながらも、ネットワークを生かして多様な関係者が知恵を出し合い、持続可能な農業と地域づくりを目指す姿勢を示しました。

- 所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿
- 理事長:渋澤温之
- 会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、あいコープみやぎ
- 規模:12会員・統一事業システム利用会員総事業高2,689.6億円/組合員総数177.0万人(2026年3月末現在)
- ホームページ:https://www.pal-system.co.jp/
本記事はパルシステム生活協同組合連合会の発表をもとに作成しました。
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