YORISOI、AI時代の人材需要分析を公表 生産工程従事者が不足の79.2%
株式会社YORISOIは、公的な就業構造推計や米国の雇用予測、AI活用に関する研究をもとにまとめた「AI時代の人材需要と採用・育成に関する分析レポート」を公表しました。職種ごとの人材需要の変化やAIを活用する人材に求められる能力を整理した内容となっています。同社が経済産業省の2040年推計を再計算した結果、生産工程従事者は現場人材全体の需要の22.3%であるのに対し、需給不足の79.2%を占めることが示されました。
産業構造の変化により職種別の不足と余剰が同時に生じる見通し

経済産業省の「2040年の就業構造推計(改訂版)」によると、国内投資と産業構造転換が十分に進むシナリオ(新機軸ケース)において、職種区分ごとに大きな需給差が生じることが示されています。

推計によると、AI・ロボット等の利活用を担う人材は2040年の需要782万人に対し供給が443万人で339万人不足し、現場人材全体では需要3,283万人に対し供給3,023万人で260万人不足すると試算されています。一方で、事務職は需要1,039万人に対し供給が1,476万人となり、437万人供給超過になると推計されています。
なお、現場人材には生産工程、建設・採掘、サービス職などが含まれます。また、AI・ロボット等の利活用を担う人材は機械技術者や情報処理・通信技術者等を集計した区分であり、生成AIを使うすべての従業員を指すものではありません。供給超過についても、その人数の失業や解雇を予測したものではないとされています。
必要人数が減る職種でも人手不足が残る独自分析

YORISOIは同推計の需要・供給を用い、現場人材の内数である生産工程従事者の位置づけを独自に再計算しました。
算出の結果、生産工程従事者は現場人材の需要に占める割合が22.3%にとどまる一方、現場人材の需給不足に占める割合は79.2%に達し、生産工程従事者の需要に対する供給不足の割合は28.2%となりました。
また、生産工程従事者は2022年の就業者数835万人に対し、2040年の需要が731万人と12.5%少ない水準が見込まれています。それにもかかわらず、同年の供給は525万人にとどまり、206万人不足が生じる推計となっています。この比較から同社は、仕事に必要な人数が減ることと企業が人材を確保しやすくなることは別の問題であるとし、採用計画においては業務の省力化とともに技能の継承や育成期間、地域ごとの採用環境の確認が必要だと指摘しています。

米国市場では技能職の需要増とAI活用が進展
米国の動向として、Thumbtackの2026年調査によると、回答した住宅建設・保守等の技能職従事者のうち業界経験2年未満の層の38%が、以前は企業のオフィス職等で働いていたと回答しました。また、同調査では技能職従事者の35%が事業でAIを日常的に活用していることも示されており、現場での技能と集客・顧客対応等でのAI活用を組み合わせる動きが見られます。この調査はThumbtackの事業者1,495人の回答(部分回答458人を含む)に基づき、米国全体の転職者を代表するものではなく、38%はオフィス職全体の転職率ではありません。
また、米国労働統計局(BLS)の2025~2035年雇用予測では、全職種が+3.5%であるのに対し、ソフトウェア開発者が+10.2%、電気工事士が+9.2%と双方が高い伸びを見込む一方、生産職全体は−0.4%、事務・管理支援職は−4.0%と予測されています。BLSは電気工事士の需要要因として、AI・データセンターの拡大に伴う電力需要や送電網等の整備を挙げています。
AI活用と現場の判断力を組み合わせた人材育成の重要性

厚生労働省の「令和8年版 労働経済の分析」では、現時点でAIが大きな雇用減少をもたらしている証拠は確認されていないとしたうえで、AI投資と人材育成の連携や学び直しの支援、論理的思考力やコミュニケーション能力といったメタスキルの向上を重視しています。また、顧客対応担当者5,172人を分析した学術論文「Generative AI at Work」では、AI支援により1時間当たりの問題解決件数が平均15%増加したと報告されています。ただし、効果には経験や能力による違いがあり、すべての職種に同じ改善率が当てはまる結果ではないとされています。
これらの分析を踏まえ、YORISOIは今後の採用や人材育成において次の3点が重要になると考察しています。
- 職種名に加え、実際に担う業務や使用するツール、判断の範囲を明確にすること
- AI活用による効率化を進めつつ、出力の確認や品質・安全の判断、対話力を備えた人材を育成すること
- 求職者の希望や経験を理解し、必要な研修や資格など習熟までの道筋を示すこと
株式会社YORISOI 会社概要

- 会社名:株式会社YORISOI
- 代表者:代表取締役 竹原 甲斐斗
- 所在地:東京都渋谷区神南1丁目23番14号 リージャス渋谷公園通りビル5F
- 公式サイト:https://yorisoi-hr.com/
本記事は株式会社YORISOIの発表資料をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



