大船渡の元正榮北日本水産、山林火災を乗り越え三陸翡翠あわびの出荷を再開
岩手県大船渡市のエゾアワビ養殖業者である元正榮北日本水産は2026年10月30日、ふるさと納税の返礼品として「三陸翡翠あわび」の出荷を再開した。同社は2011年の東日本大震災に加え、25年2月の山林火災で貝がほぼ全滅する被害を受けたが、生き残った稚貝を育てて出荷にこぎつけた。26年中に一般向けとして三陸翡翠あわびを入手できる手段は、ふるさと納税の返礼品のみとなる。
山林火災による壊滅的被害からの復旧
元正榮北日本水産は約250の水槽を使用し、アワビの完全陸上養殖を行ってきた。海底の地下数メートルから汲み上げた地下水で育てるアワビは肉厚で軟らかいと評価され、年間生産量は食用(7~9センチ)が40万個、放流用(2~3センチ)は200万個に達していた。東日本大震災で施設が全壊した後も親アワビを探し出して事業を再開し、20年には自社ECサイトを開設して「三陸翡翠あわび」のブランド化を進めていた。
しかし、市内の3370ヘクタールが被災した25年の大船渡山林火災により、ポンプで汲み上げた海水を水槽へ送る塩化ビニール製の送水管(直径50~30センチ)が焼け焦げて使用不能となった。10日間以上も海水が停止したことで、育っていた貝はほぼ全滅し、被害額は貝だけで数億円にのぼった。その後、生き残った生後数か月の稚貝をもとに、クラウドファンディングや補助金などを通じて施設復旧が進められた。
26年中の一般向け提供は返礼品に限定


同社は、復旧した施設で育った稚貝から出荷基準となる6.5センチ程度のアワビを選別し、12月までの寄付分として3000個(6個入り×500セット)の返礼品を用意した。2026年10月30日には、真空パックの冷凍アワビ103セットが保冷袋に梱包されて出荷された。

26年中の一般向け提供はふるさと納税返礼品に限定されており、現在は同年11月30日および12月25日に発送する分について寄付を受け付けている。取扱サイトは、同市のふるさと納税業務を受託する地域商社の株式会社パンクチュアルが運営する「ふるコミ」のほか、「楽天ふるさと納税」や他のふるさと納税ポータルサイトとなっている。
完全回復に向けた今後の展望
元正榮北日本水産の古川翔太専務取締役は、「山林火災が起きて2年近くが経ち、やっと一般のお客様に「三陸翡翠あわび」をお届けできるようになりました」と述べている。同社によると、売上は被災前の半分程度まで回復しているものの途上であり、来年末での「完全回復」を目標に事業を継続していく方針を示している。

会社概要
- 元正榮北日本水産
- 創業:1982年(会社設立は86年)
- 所在地:岩手県大船渡市三陸町綾里字石浜71-1
- 電話番号:0192-42-3056
- 株式会社パンクチュアル
- 代表:代表取締役社長 守時 健
- 設立:2020年(令和2年)3月
- 所在地:高知県須崎市緑町1-12
- 事業内容:ふるさと納税運営事業、ご当地キャラ運営事業、EC事業、PR事業、アーティストマネジメント事業
- URL:https://punctual.co.jp/

本記事は株式会社パンクチュアルの発表をもとに作成。
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