和心村が十一時倶楽部を提唱 房総の11時以降チェックアウト宿69軒の調査を公開
千葉県富津市の宿泊施設である和心村は、標準チェックアウトを11時以降とし、朝を急がずに過ごせる滞在を広げる呼びかけとして「十一時倶楽部」を提唱した。あわせて、時間や睡眠に関する研究の知見と、房総周辺の宿泊施設を対象に独自調査したチェックアウト時刻の結果をまとめた記事を公開した。

朝のゆとりを重視する「十一時倶楽部」の基準

十一時倶楽部(The Eleven O’Clock Club)は、「朝を旅人に返す」を合言葉に、目覚めてから出発するまでを自分のペースで過ごせる環境を宿のおもてなしとして提案する取り組みである。10時チェックアウトと比べて客室を利用できる時間が1時間増えることで、睡眠や身支度、朝食後の休憩などを旅人自身が選んで過ごせるようにする考えに基づいている。
参加および掲載の基準は、標準チェックアウトが11時以降であり、その時刻が公式サイトまたは予約サイトで確認できることとされている。有料のレイトチェックアウトや特定宿泊プラン限定の延長特典は基準に含まれず、追加手続きなしで11時以降まで客室に滞在できることが条件となる。観光庁の「モデル宿泊約款」第9条においても客室使用時間は一律で10時と定められておらず、各施設が設定する形式となっている。
滞在時間や睡眠に関する研究知見を整理

公開された記事では、時間と幸福感や睡眠、運転リスクに関する各種研究データが紹介されている。2017年に米科学誌PNASに掲載されたWhillansらの研究では、時間を節約するサービスにお金を使うことと生活満足度の高さとの関連が報告されている。また、OracleとSkiftが2022年春に消費者5,266人を対象に実施した国際調査では、37%がアーリーチェックイン・レイトチェックアウトに追加料金を払う意向を示したとされる。
さらに、厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」において20歳以上で1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が男性38.5%、女性43.6%であることや、環境の変化に伴う睡眠への影響、起床直後の認知機能低下(睡眠慣性)なども挙げられている。日本自動車研究所による2019年の交通事故統計分析では居眠り運転による死亡・重傷事故の約6割が私用の運転中に発生していることなども示し、車で移動する旅人の出発前の休息の重要性に触れている。
房総周辺の施設を調査し69軒を公開
取り組みの背景として、和心村は2026年10月18日にネット上の公開情報をもとに房総周辺の宿泊施設を調査した。楽天トラベル1,067件、じゃらん589件、Yahoo!トラベル551件の延べ2,207件を確認し、楽天トラベルの対象4地域・1,067軒では802軒が10時、829軒が11時より前であることが確認された。
プログラムによる取得とAIおよび手動での補足確認を経て、11時以降の候補282軒から施設の形態と規模を考慮して69軒を抽出した。旅館・ホテル55軒のうち成人専用レジャーホテル5軒を除く50軒、グランピング・ヴィラなど総部屋数4室以上の宿19軒で構成されている。なお、3室以下の一棟貸しや民泊、部屋数が確認できない施設、千葉市・成田・香取のエリアは除外されている。


掲載された69軒のエリア別内訳は以下の通りである。
- 館山・南房総: 15軒
- 鴨川: 9軒
- 勝浦・御宿・いすみ: 12軒
- 内房:鋸南・富津・君津・木更津: 13軒
- 養老渓谷・大多喜・市原: 6軒
- 九十九里・茂原・東金: 11軒
- 銚子・旭: 3軒
標準チェックアウト時刻の内訳は、11時が61軒、12時が6軒、13時と14時がそれぞれ1軒となっている。
和心村の概要と参加案内
和心村は、保護猫たちが暮らす里山での滞在を「猫治」と称し、自身の標準チェックアウト時刻も11時に設定している。十一時倶楽部への参加・掲載を希望する施設に対しては、施設名を添えた連絡を受け付け、標準チェックアウト時刻の確認を経てリストへの追加を行うとしている。
- 記事名: 十一時倶楽部:朝を旅人に返す——房総半島で11時以降にチェックアウトできる宿69軒から始める、全ページ実査
- 公開先: IDAEO知識庫
- 公開言語: 日本語・英語・繁体字中国語・簡体字中国語
- 調査日: 2026年10月18日
- 施設所在地: 〒299-1733 千葉県富津市高溝14(和心村運営会社: 株式会社和心村、IDAEO知識庫運営会社: 株式会社和心)
本記事は株式会社和心村の発表をもとに作成。
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