国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 大腸がん術後ctDNA検査が有用
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院の研究グループは、大腸がん患者さん5,355人のデータを解析し、術後の継続的なctDNA検査が再発高リスク群の特定に有用であることを明らかにした。画像検査で再発が確認される前に高リスク群を捉え、早期先制治療の臨床試験への参加候補者を特定できる可能性が示されている。
5,355人の大腸がん患者データを解析
研究を実施したのは、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(病院長:土井 俊彦)国際臨床腫瘍科長の吉野 孝之、医薬品開発推進部長の坂東 英明、外来研究員(国際研究推進室前室長)の中村 能章らを中心とした研究グループである。
本研究では、大規模研究プロジェクト「CIRCULATE-Japan」の観察研究「GALAXY」に登録された大腸がん患者さん5,355人のデータを解析した。その結果、術後の継続的なctDNA検査が、画像検査で再発が確認される前に再発高リスク群を捉え、早期先制治療の臨床試験への参加候補となる患者さんの特定に有用であることが判明した。
早期陽性者の51.8%が臨床試験の条件を満たす
解析の結果、術後早期にctDNA陽性だった患者さんの51.8%が第III相臨床試験「ALTAIR」の参加条件を満たした。また、術後早期にctDNAが陰性または不明だった患者さんでも、その後にctDNA陽性となる患者さんが認められている。
さらに、ctDNA陽性患者さんの65.2%では、陽性判明後3か月以上再発を認めなかった。これらの結果から、ctDNA検査により再発高リスク群を早期に捉えられることが示されている。
先制治療対象の特定と継続検査の重要性
本研究により、ctDNA検査を活用して先制治療の対象となり得る患者さんを特定できる可能性が示された。また、治療中や経過観察中にctDNAが新たに陽性化する患者さんも認められたことから、継続的なctDNA検査の重要性が示されたとしている。
なお、本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)革新的がん医療実用化研究事業「SCRUM-Japanの基盤を活用した血液循環腫瘍DNAスクリーニングに基づくFGFR遺伝子異常を有する難治性の治癒切除不能な進行・再発固形がんに対するTAS-120のバスケット型医師主導治験」の支援により実施された。
発表論文の情報
- 掲載雑誌名:Annals of Oncology(2026年10月7日掲載)
- タイトル: Postoperative ctDNA dynamics and eligibility for Treat-on-Molecular Result (TOMR) ALTAIR trial in colorectal cancer: insights from CIRCULATE-Japan
- DOI:10.1016/j.annonc.2026.09.016
本記事は国立研究開発法人国立がん研究センター東病院の発表をもとに作成。
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