HmcommがBraveridgeのアンテナ採用 ドライブバイ方式の実証へ
Hmcomm株式会社は、走行車両から無線通信でセンサーデータを収集するドライブバイ方式の技術開発において、株式会社Braveridgeが開発する金属面設置対応の2.4GHz超薄型アンテナを基本構成として採用した。両社で連携して通信方式の高度化および実フィールドでの技術検証を進める。上水道や下水道をはじめとする社会インフラ監視の効率化や省人化につながる技術の実用化を目指す。
ドライブバイ方式は、車両が対象設備付近を走行する際にBluetooth Low Energy(BLE)などの無線通信を利用してセンサーデータを取得する仕組みである。車両の走行機会を活用することで、設備ごとの常時通信回線を不要とし、通信コストや現地作業の負担を抑えながら広範囲のインフラ設備を効率的に監視することを目指している。取得データはクラウド上でAI解析を行い、異常の可能性が高い地点を抽出して重点的な現地確認につなげる想定で、同社は本方式に関する技術の特許を出願している。
マンホールなどの金属環境下では電波への影響やアンテナの設置位置が課題となるが、同社の社内検証では鉄蓋を用いた模擬環境において蓋上にアンテナを設置する方式が有望と確認された。これを受け、金属面に設置した状態での利用を想定して開発された株式会社Braveridgeの2.4GHz超薄型アンテナの採用を決定した。同アンテナは厚さ1mm(同社発表では厚さ約1mm)の超薄型構造で、金属面設置時でも無線特性を確保できる特徴があり、マンホール蓋への設置例も公開されている。
自治体との実証実験と継続的監視に向けた課題
社会インフラの維持管理において、広範囲の設備を人が巡回してデータを回収する手法には人的負担やコストの課題が存在する。Hmcomm株式会社はこれまで、滋賀県守山市での上水道分野の実証を通じて、広域的な漏水リスク分析と同社独自のAI異常検知ソリューション「FAST-D」による漏水音判定を組み合わせ、漏水リスクの高い地点を絞り込む取り組みを行ってきた。2026年10月15日に開催された同実証事業の中間報告会では、漏水検知の成果やドライブバイ方式に向けた通信検証結果、今後の実証計画が報告されている。
また、広島県福山市においても、既存データや各種センサーデータを活用し、下水道管路の腐食リスクをAIで推定・可視化する実証を進める予定となっている。こうした取り組みを継続的なインフラ監視へと発展させるため、現場のセンサーデータを効率的かつ継続的に収集する仕組みの構築が進められている。
今後の検証内容と展開
今後は株式会社Braveridgeと連携し、実際のインフラ環境でドライブバイ方式の技術検証を実施する。マンホール等へのアンテナ設置条件、車両走行時の通信距離や接続時間、通信安定性のほか、限られた通信時間内で取得可能なデータ量などを検証項目として想定している。車両が設備付近を通過する短時間で必要なデータを安定して取得できる通信方式の確立を目指す。
同社は走行車両によるデータ収集とクラウド上でのAI解析を組み合わせることで、異常の早期発見や予防保全につながる監視の実現を目指し、複数の実フィールドで通信性能や運用性を検証しながら社会インフラ分野への展開を推進するとしている。
発表企業について
- Hmcomm株式会社(代表取締役社長CEO:三本 幸司、所在地:東京都港区浜松町2-10-6 PMO浜松町Ⅲ 4階、設立日:2012年7月24日)
- 株式会社Braveridge(代表取締役社長:小橋 泰成、所在地:福岡県福岡市西区周船寺3-27-2、設立日:2004年7月)
本記事はHmcomm株式会社の発表をもとに作成されています。
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