Teradata、分散Python実行機能の一般提供を開始
Teradataは、企業向けデータ分析・AIモデル開発環境「AI Studio」において、大規模なAI・機械学習ワークロードを並列処理する新機能「Elastic Python Compute」の一般提供を開始しました。
本機能により、企業内のデータサイエンスチームは、インフラ構築やクラスタ管理の手間をかけることなく、データエンジニアリングからモデル開発に至る処理を並列化できるようになります。
Rayを基盤とした分散実行とプラットフォーム内完結
Elastic Python Computeは、分散コンピューティングフレームワーク「Ray」上に構築されており、「Teradata Autonomous Knowledge Platform」およびAI Studioとネイティブに統合されています。手動でのクラスタ構築や管理の負荷を抑え、単一サーバーとクラスタの両方の環境に対応して柔軟な拡張を可能にします。
モデルのローカルホスティングとガバナンスをサポートしているため、外部APIへの依存やトークンベースの推論コストは発生しません。AIワークロードはプラットフォーム内で実行され、データの移動を必要としない仕組みです。Teradata Database、S3オブジェクトストレージ、Apache IcebergやDelta Lakeといったオープンテーブルフォーマットカタログと直接データを読み書きでき、タスクに応じてCPUまたはGPUを選択できます。
さらに、高速データ通信プロトコル「Arrow Flight SQL」をサポートしており、従来の行ベース転送方式と比較して最大84倍の転送速度を達成しているとしています(※性能結果は環境によって異なる場合があり、ベンチマークテストは特定のテスト環境で実施されたもので、すべてのインフラストラクチャにおける結果を保証するものではありません)。
金融・通信・公共機関での実証成果
先行する導入現場では、ガバナンスの維持や処理性能の向上が確認されています。
- 大手リテール銀行(金融):信用リスクの特徴量エンジニアリングにおいて、支払い履歴や延滞フラグを含む信用スコアリングパイプラインがガバナンス境界内を維持したまま3倍の速度で実行可能となり、規制当局の求めに応じた監査証跡の記録と再現性を確保しました。
- 大手通信プロバイダー(通信):通話詳細レコードやネットワークテレメトリイベントの特徴量エンジニアリングをプラットフォーム内で直接実行し、全量データでの学習を実現しました。これにより実行時間は4時間から20分へ短縮され、解約予測モデルの精度が12%向上しました。
- 政府系海洋機関(公共機関):トランスポンダーを切断した船舶の動態追跡において、衛星画像、レーダー信号、AISデータ、商用画像を統合し、従来検知できなかった船舶の動態を再現しました。
提供時期と今後の展開
Elastic Python Computeは、AWSおよびMicrosoft Azure環境のAI Studioにおいて一般提供を開始しています。オンプレミス環境向けには「Teradata Factory」で提供を開始しており、Google Cloud環境での提供は2026年第4四半期を予定しています。
Teradataのチーフ・プロダクト・オフィサーであるSumeet Aroraは、本機能によってデータが存在する場所で分散AIワークロードを大規模に実行できるようになり、ガバナンスやコスト管理を損なわずに本番環境への迅速な展開が実現する旨を述べています。
本記事はTeradataの発表をもとに作成しました。
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