MiZが認知症と水素の医療利用を講演、低濃度水素吸入への転換必要性を提唱
MiZ株式会社は2026年9月25日、横浜市立大学医学部およびNPO法人市民健康長寿ネット研究所の依頼を受け、「水素の医療利用―認知症に対する効果について」と題する招待講演を行いました。講演では、脳血管内皮保護を通じて水素が認知機能へ寄与する可能性に加え、吸入終了後も改善が維持される仕組みとして腸内水素産生菌に着目した新仮説が提唱されました。あわせて、高濃度水素吸入に伴う人体内水素爆発事故の危険性と、学術検証に基づく低濃度水素吸入への転換の必要性が説明されました。
脳血管内皮保護と持続効果に関する新仮説
講演では、酸化ストレスと慢性炎症の悪循環を水素が和らげることで、脳血管内皮の保護を通じて認知機能に寄与し得る可能性が解説されました。大阪公立大学医学部との共同研究(Kimura et al., 2025, Biomedicines 13:833)やノヴィサド大学との共同研究(Korovljev et al., 2020, Int J Gerontology 14:149)などの知見が紹介されたほか、ビタミンCなどの抗酸化物質と比較した水素の特性についても触れられました。


また、アルツハイマー病患者への6か月間の低濃度水素吸入終了後も認知機能検査の改善が持続したとするOnoら(2023, Pharmaceuticals 16:434)の報告に対し、MiZ株式会社による新仮説が示されました。水素吸入によって腸内の水素産生菌が増殖・活性化し、吸入終了後も水素を供給し続けることで効果が維持された可能性があるとしています。この仮説の背景として、水素水投与マウスで腸内のバクテロイデス属が増加した大阪大学医学部との共同研究(Ikeda M et al., 2018, Shock 50:640–647)や、認知症患者では腸内のバクテロイデス属の割合が低いとする国立長寿医療研究センターの研究(Saji N et al., 2019, Sci Rep 9:1008)が挙げられました。
高濃度水素吸入による事故リスクと低濃度への転換
安全面に関して、高濃度水素吸入では装置本体の爆発だけでなく、呼吸器系内で高濃度水素に着火する人体内水素爆発が報告されていると説明されました。Ichikawa et al. (2026, IJRSM 37(3):425-431) は装置出力濃度 67〜99.99 体積% の爆発事故を体系的に検証し、低濃度水素吸入への転換を提言しています。
消費者庁 事故情報データバンクシステムには、装置出力濃度が 67~100 体積% の水素吸入器による顔面複雑骨折や内臓組織破裂、気管支穿孔などの重大事故が複数報告されています。さらに神奈川県海老名総合病院救命救急センターの2024年の論文でも、温熱療法と水素吸入の併用中に肺挫傷に至った事案が報告されています。これらを踏まえ、装置出力濃度を吸入環境実証値である 10 体積% 以下に保つ低濃度水素吸入への転換が呼びかけられました。
水素吸入器の安全性評価と設計基準

水素吸入環境における爆発リスクの実証閾値について、MiZ株式会社は2015年に発表した 10 体積% 超という数値を基準として示しています。密閉系を対象とする古典的爆発下限界(LFL)の 4 体積%(Coward & Jones, 1952)とは異なり、吸入環境は開放系かつ流動気体であるため、実証値 10 体積% を基準とすることが妥当であるとしています。
また、出力が 100% の純水素であっても外気や呼気と混ざる過程で爆発範囲(10 ~ 75%)を通過するため安全とは言えず、装置周辺の換気や加湿のみでは人体内部での爆発を防ぐことはできないと解説されました。そのため、装置設計の段階で出力濃度を爆発下限以下に抑える設計が重要視されています。
MiZ株式会社の概要
- 商号:MiZ株式会社
- 所在地:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2丁目19番15号
- 電話番号:0467-53-7511
- 公式サイト:https://e-miz.co.jp/
本記事はMiZ株式会社の発表および消費者庁 事故情報データバンクシステムの公開情報をもとに作成しています。
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