ZIFISH、鹿児島県漁協高山支所で水産物の電子入札システム実証を開始
鹿児島大学発ベンチャーの株式会社ZIFISHは2026年10月19日、鹿児島県漁業協同組合 高山支所(鹿児島県肝属郡肝付町)において、スマートフォンやタブレットで水産物の入札を行う「ZIFISH電子入札システム」の実証実験を開始した。対象は同支所で入札にかけるすべての漁獲物で、買受人(仲買人)約10社が参加している。水揚げの計量から入札、伝票作成までの一連の工程をデジタル化し、業務効率化や取引機会の拡大を検証する。
計量から入札までをデジタル化する仕組み
本システムは、仲買人など購入者が使う「ZIFISH購入者アプリ」と、漁協が使う「ZIFISHデータ管理アプリ」で構成され、9月にリリースされた「ZIFISHスマート計量システム」と連動する。計量した重量や高精細な写真、品質情報が入札情報として共有されるため、仲買人は現場に赴かなくてもアプリを通じて遠隔地から漁獲物を確認し、入札に参加できる。
漁協側においては、札集めや落札者の決定、集計・転記といった手作業がなくなり、水揚げの計量から入札、伝票作成までがデジタルで一貫して処理される。

仲買人・漁協・漁師が抱える課題の解消へ
従来の市場取引では、仲買人は現場で実物を確認するまで水揚げ状況を把握できず、短時間での手書き入札による記載ミスや締め切り遅れなどの課題が存在していた。漁協側でも入札業務がベテラン職員の経験に依存し、開札までの間、魚を並べたまま待たせる状況や、問い合わせ対応の負担が生じていた。また、漁師にとっても、魚の買い手がその場にいる人に限られ、活〆や神経〆といった手間の価値を伝えにくい側面があった。


本システムの導入により、仲買人はアプリ上で鮮魚・活魚、活〆・神経〆、キズの有無、生産者名、漁法などの情報をリアルタイムに確認できるようになる。漁協側はタブレット操作のみで業務を進められるため作業負担が軽減され、少量の荷物を細かく入札にかけることで魚を並べておく時間を短縮し、鮮度維持にもつながるとしている。漁師にとっても現場に来られない買い手にまで情報が届くことで、品質へのこだわりを評価してもらいやすくなるという。

高山支所における実証実験の内容

本実証実験では、漁協の作業時間削減や遠隔からの入札参加状況などを検証する。
- 実施場所:鹿児島県漁業協同組合 高山支所(鹿児島県肝属郡肝付町)
- 開始日:2026年10月19日
- 対象:高山支所で入札にかけるすべての漁獲物
- 参加者:鹿児島県漁業協同組合 高山支所、買受人(仲買人)約10社
- 使用システム:ZIFISH電子入札システム(ZIFISH購入者アプリ・ZIFISHデータ管理アプリ)、ZIFISHスマート計量システム
- 主な検証項目:入札から開札・荷物の持ち出しまでの時間/漁協の入札業務の作業時間/遠隔からの入札参加の状況/入札参加者数と落札結果の変化
株式会社ZIFISHの代表取締役CEOを務める江幡 恵吾氏は、電子入札を通じて漁協の手作業負担を減らし、仲買人には取引機会を広げ、漁師のこだわりが適正に評価される好循環をつくることが目的であるとしている。

今後の展開と会社概要
同社は今回の実証実験を通じて電子入札システムの改良を進めるほか、仲買人向けの相場や購買履歴に関するデータ活用機能、生産者が操業の振り返りや出漁判断に生かせる機能の開発を進める方針だ。さらに、消費地のシェフやバイヤーに各地の漁獲情報やトレンド情報をリアルタイムで届ける実証も行う予定で、データの開示内容や範囲は関係者と協議の上で設定・管理するとしている。
- 会社名:株式会社ZIFISH, ZIFISH Inc.
- 所在地:〒890-0045 鹿児島県鹿児島市武1丁目2-10 JR鹿児島中央ビル4F
- 設立:2025年1月31日
- 代表者:代表取締役CEO 江幡 恵吾
- Webサイト:https://zifish.co.jp/
本記事は株式会社ZIFISHの発表をもとに作成。
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