一の湯、木造文化財保護のためモバイルバッテリーの館内利用ルールを見直し
神奈川県箱根町で温泉旅館などを運営する株式会社一の湯は、2026年9月中旬から、国登録有形文化財(建造物)である「塔ノ沢一の湯本館」を含むグループ施設で、モバイルバッテリーの館内利用に関する安全ルールを見直しました。木造建築を火災リスクから守るため、利用客が所有するモバイルバッテリーの館内使用を控えるよう呼びかけるとともに、必要な利用客にはフロントで貸出を行っています。
今回のルールの見直しには、全国的にリチウムイオン電池に起因する火災が増加している背景があります。総務省消防庁の調査によると、全国の消防機関が把握したリチウムイオン電池等から出火した火災は、2024年の982件から2025年には1,297件に増加しました。このうち、モバイルバッテリーからの出火は482件で、前年の290件から約7割増加しています(廃棄された電池等を回収中のごみ収集車・ごみ処理関連施設での火災は除く)。

また、東京消防庁管内では2025年にリチウムイオン電池関連火災が382件発生しました。出火時の状況は充電中が174件、充電していない待機中が143件で、待機中の火災も全体の約37%を占めており、使用していない時の管理も重要視されています。
文化財保護に向けた利用案内と初期対応の強化
国登録有形文化財(建造物)に登録されている塔ノ沢一の湯本館は木造の旅館で、客室や食事処、浴室に老舗旅館の歴史を伝える意匠が残されています。木造の文化財建築を火災リスクから保全するため、株式会社一の湯では利用案内とスタッフの初期対応を強化しました。
館内では、利用客自身が所有するモバイルバッテリーの使用を控えるよう案内する一方、希望者には安全性に配慮した貸出用モバイルバッテリーをフロントに用意しています(在庫には限りがあります)。また、万が一の過熱や異臭などの異常発生時に迅速に対応できるよう、スタッフへの初期対応フローの周知と安全管理体制を徹底しています。同社は、歴史ある木造文化財を守り風情を維持するための保全活動として利用客への理解を促しています。
施設概要と会社情報
歴史的建築の保全対象となっている施設および運営会社の情報は以下の通りです。
有形文化財登録施設 概要
- 施設名:塔ノ沢一の湯本館
- 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町塔ノ沢90
- 文化財登録:国登録有形文化財(建造物)
- 建築構造・特徴:塔之澤温泉の入口、玉の緒橋の袂に位置する。木造を主体とする4階地下1階建。屋根を銅板や鉄板で葺き、入母屋造や寄棟造などを階高に応じて組み合わせて、複雑な外観を造る。大広間や客室、浴室などに様々な意匠が見られ、老舗旅館の歴史を伝える。
会社概要
- 会社名:株式会社一の湯
- 代表者:代表取締役 小川 尊也
- 創 業:1630年(寛永7年)
- 資本金:11,000,000円
- 所在地:〒250-0315 神奈川県足柄下郡箱根町塔ノ沢90
- 事業内容:温泉旅館のチェーン化経営
本記事は株式会社一の湯の発表をもとに作成しています。統計情報は総務省消防庁「リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表(令和7年)」(2026年3月26日公表)および東京消防庁「リチウムイオン電池関連火災の件数が過去最多 ~令和8年中の発生件数が急増~」(2026年7月13日公表)を参照しています。
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