トナリノ、朝日のあたる家が推進する農福連携事業のインパクトレポートを公開
岩手県陸前高田市で活動する一般社団法人トナリノは、専門家支援先である一般財団法人みらい創造財団朝日のあたる家が推進する農福連携事業について、2022年度から2025年度までの実績をまとめたインパクトレポートを作成し公開した。
対象事業「過疎地域のみらいをつくる農福連携を核とした農業のエコシステム」は、地域の小規模農家を束ねた共同体(コンソーシアム)を結成し、複数の就労支援事業所を通じて障がい者等と農作業をマッチングする取り組みである。トナリノが量的・質的データの収集と分析を行い、事業成果を可視化した。
小規模農家と就労支援をつなぐ農業エコシステム
過疎地域では、農業分野における担い手不足や耕作放棄地の増加と、福祉分野における障がい者の社会参加機会の不足や低工賃傾向といった複数の課題が同時に進行している。また、地域資源が十分に活用されず、地域内で価値循環が生まれにくい構造も課題となっている。
こうした状況に対し、休眠預金活用事業の採択を受けて2023年4月より本格的な取り組みを開始した。福祉と産業の両分野で経験が豊富なコーディネーターによるマッチングや、東日本大震災被災地支援の経験を活かし、3年の間に岩手県内で最多となる農福連携実績を達成したとしている。
堆肥生産の開始と平均工賃52,155円の達成
2025年度からは農家支援の一環として堆肥生産を開始した。剪定枝や廃棄菌床、漁業残渣等の廃棄物を原料として譲り受けることで、環境面でも地域に貢献する事業へ発展させている。
さらに2025年4月には農業に特化した就労継続支援B型事業所を開所した。他事業所との連携に加え、支援先団体自ら農福連携のコーディネートが可能となったことで、2025年度のコーディネート件数はおよそ2倍に増加し、全国平均額を大きく上回る平均支払工賃52,155円を達成した。


地域資源の循環と今後の取り組み
現在は堆肥生産の拡大に加え、間伐材などを利用した薪の生産を新たに開始するための取り組みを進めている。農業・福祉・環境の各分野における地域課題解決にとどまらず、全国的な先進事例として農福連携を牽引することが期待されている。
関係団体の概要
- 一般社団法人トナリノ:岩手県陸前高田市に拠点を置き、代表理事は佐々木信秋が務める。地域のコレクティブインパクトを支えるバックボーン組織および専門家として、過疎地域のシステムチェンジに取り組んでいる。
- 一般財団法人みらい創造財団朝日のあたる家:2011年の東日本大震災直後の被災地医療支援活動から始まったNPO法人の活動を引き継ぎ、2022年11月に設立された。社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団に寄せられた東日本大震災救援募金によって運営され、農福連携を軸とした就労支援と農業振興に注力している。
本記事は一般社団法人トナリノの発表をもとに作成されています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



