ヘモグロビンA1c重視の医師87.0% 生活者は血糖値重視が68.7%
日本生活習慣病予防協会は、全国の医師331人と全国の20~69歳男女310人を対象に実施した「血糖値・ヘモグロビンA1cに関する意識調査(2026年9月)」の結果を公表した。糖尿病のリスクを把握するうえで、医師の87.0%が患者により見てほしい指標として「ヘモグロビンA1c」を挙げた一方、生活者の68.7%は「血糖値」を重視すると回答した。両者の間で重視する指標や認知度に大きなギャップが存在する実態が明らかになっている。
重視する指標に隔たり 生活者の40.3%がヘモグロビンA1cを「知らない」
医師に健康診断で患者により見てほしい指標を尋ねたところ、87.0%がヘモグロビンA1cと答え、血糖値と答えた生活者の68.7%と対照的な結果となった。
健康管理の観点で各指標がどのくらい重要かを尋ねた質問では、医師の78.2%がヘモグロビンA1cを「非常に重要」と回答し、血圧に次いで2番目に高かった。血糖値を非常に重要とした医師は64.4%で5番目にとどまっている。

一方、生活者に各指標の認知度を尋ねたところ、ヘモグロビンA1cを「知らない」と回答した人は40.3%となり、全指標の中で最も高い割合となった。血糖値を「知らない」と回答した生活者は2.3%にとどまっている。
意味の理解度で変化する意識 血糖値への過信も浮き彫りに

ヘモグロビンA1cを知っている生活者を対象に理解度別の分析を行ったところ、「意味まで知っている人」では70.8%がヘモグロビンA1cを重視すると回答した。これに対し、「見聞きした程度の人」で同指標を重視すると答えた人は29.2%にとどまった。
また、血糖値を知っている生活者のうち、血糖値の測定や数値によって糖尿病予備群などのリスクを十分に把握できると思うと答えた割合は87.5%にのぼった。内訳は「非常にそう思う」が20.5%、「そう思う」が67.0%で、「そう思わない」「全くそう思わない」は合わせて12.5%だった。

医師が重視する理由は「過去1~2か月の血糖状態を反映するため」
医師にヘモグロビンA1cを重視する理由を複数回答で尋ねた結果、最も多かったのは「過去1~2か月の血糖状態を反映するため(82.1%)」だった。次いで「検査当日の食事の影響を受けにくいため(62.1%)」「糖尿病の診断基準に用いられているため(47.6%)」が挙げられた。また、「血糖値では「予備群」を見落としてしまうため」と回答した医師も36.4%いた。
血糖値が採血したその時点の血液中の糖の量を示し、1日の中でも変動するのに対し、ヘモグロビンA1cは過去1~2か月の血糖の平均状態を反映する指標とされる。食後10時間以上あけた空腹時血糖値が低くても食後に血糖値が急上昇するケースなどがあるため、血糖値だけでは予備群を見逃す可能性が指摘されている。

避難生活での血糖コントロールと専門家の見解
7月に発生した令和8年熊本地震や各地の豪雨災害を踏まえ、避難生活における血糖コントロールの重要性について医師に尋ねた項目では、9割の医師が重要性が高まると回答した。

日本生活習慣病予防協会代表で東京慈恵会医科大学客員教授の和田高士氏は、ヘモグロビンA1cについて、変動する血糖と異なり過去1~2か月の血糖平均状態を反映するため糖尿病状態を容易に評価でき、健康管理には必須の血液検査項目であるとしている。
調査概要および協会概要
今回の調査概要は以下の通り。
- 調査名:血糖値・ヘモグロビンA1cに関する意識調査
- 調査主体:日本生活習慣病予防協会
- 協賛:株式会社 明治
- 調査方法・期間:WEB調査 2026年9月
- 調査対象:全国の医師331人、全国の20~69歳男女310人
日本生活習慣病予防協会は2000年に設立され、健康標語「一無、二少、三多(いちむにしょうさんた)」の提言や、2011年より毎年2月の「全国生活習慣病予防月間」の普及活動を行っている。2016年には1月23日を「一無、二少、三多の日」として記念日登録した。役員は医師を中心に構成されている。 公式サイト:https://seikatsusyukanbyo.com/
本記事は日本生活習慣病予防協会の発表をもとに作成。
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