Helical Fusionと富士電機が資本業務提携 ヘリックス計画へ参画
株式会社Helical Fusionと富士電機株式会社は、フュージョンエネルギー(核融合)による実用発電の達成および産業創造に向けた資本業務提携を締結した。これにより富士電機株式会社は、株式会社Helical Fusionが主導する「ヘリックス計画」の公式パートナーとして参画した。両社はフュージョンエネルギーの実用化を目指し、エネルギーの安定供給や持続可能な社会の実現への貢献を目指すとしている。
提携の概要と今後の取り組み
富士電機株式会社(代表取締役会長CEO:北澤 通宏、本社:東京都品川区)は、エネルギー・環境事業で持続可能な社会の実現に貢献することを経営方針の柱に掲げている。同社は2025年に、株式会社Helical Fusion(代表取締役CEO:田口 昂哉、本社:東京都千代田区)と高温超電導マグネット用の電源装置の供給契約を締結していた。
今般の公式パートナーへの参画により、富士電機株式会社は、統合実証装置「Helix HARUKA」や発電初号機と位置付けられる「Helix KANATA」の技術開発および事業開発の具体的な検討に加わる。これにより、フュージョンエネルギーの周辺技術に関する知見の蓄積を進める方針だ。

株式会社Helical Fusion共同創業者 代表取締役CEOの田口昂哉は、富士電機が強みとするパワーエレクトロニクスについて、核融合で生み出されたエネルギーを電力として使うために不可欠な技術であるとした上で、「今回の参画は、フュージョンエネルギーの実用化へ一歩踏み出す、象徴的な前進だと考えています」と述べている。
実用発電の達成を目指す「ヘリックス計画」
株式会社Helical Fusionが推進する「ヘリックス計画」は、世界に先がけた2030年代の核融合発電所の実用化に向けた計画である。同社が採用する「ヘリカル方式」は日本で発明され、約70年にわたり国立大学や公的研究所で研究開発が行われてきた。商用利用に必要な「定常運転(24時間365日運転可能な安定性)」「正味発電(プラントの外に電力を供給できる)」「保守性(メンテナンスが可能)」の3つの要件を満たす設計に基づき、開発が進められている。
計画では、2020年代中をめどに二大開発要素である「高温超伝導マグネット」と「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了させる。さらに2030年代中には最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証を行い、発電初号機「Helix KANATA」による実用発電の達成を目指す。

現在、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS)の敷地内にある専用スペースにて、Helix HARUKAによる高温超伝導マグネット実証に向けた製造・建設が進められている。

フュージョンエネルギーは、太陽などの恒星内部で起きている核融合反応を地上で再現し、電力などのエネルギー源とする技術である。発電時に二酸化炭素を排出せず、燃料を海水等から豊富に採取できる持続可能性とベースロード電源を担える効率性を両立しうることから、次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。国際エネルギー機関(IEA)の年次報告書「2023年版世界エネルギー見通し」によると、世界人口は2050年までに約17億人増加すると予測されており、生成AIの普及等に伴う電力需要の急増への対応が課題となっている。


日本国内では、2025年10月に発足した高市早苗総理大臣の新政権が、所信表明演説で次世代革新炉や核融合エネルギーの早期社会実装を明記した。同年6月には内閣府の「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」改定により2030年代の発電実証ロードマップが提示されたほか、重点投資対象17分野に挙げられ、2040年までに3.1兆円の官民投資が目指されるなど、産業化に向けた動きが進んでいる。


公式パートナー制度の概要
「ヘリックス計画公式パートナー」は、技術・事業上の業務提携に加え、一定額以上の資本提携を伴って計画を主体的に推進する提携企業を定める制度である。2026年4月に発足し、Helix HARUKAやHelix KANATAの製造・建設および関連する取り組みを共同で進める体制をとっている。
同制度には、第一弾として以下の企業が参画している。

- ニチアス株式会社
- 長谷虎紡績株式会社
- 瀬野汽船株式会社
- 株式会社安藤・間

本記事は株式会社Helical Fusionの発表をもとに作成されています。
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