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成人の身体活動量は中央値56.2分 運動実施者の43.3%が厚労省推奨未達

公益財団法人 笹川スポーツ財団と公益財団法人 明治安田厚生事業団は、共同研究「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」を実施し、身体活動量の全国代表値を国内で初めて提示しました。成人(20~64歳)の中高強度身体活動時間の中央値は1日56.2分であり、厚生労働省が推奨する「1日60分以上」を満たさない実態が判明しました。また、運動・スポーツを実施している人であっても43.3%が推奨身体活動量を満たしていませんでした。

成人と高齢者における身体活動および座位行動の実態

調査によると、成人(20~64歳)の1日あたりの活動状況の中央値は、低強度身体活動(LPA)時間が333.2分、中高強度身体活動(MVPA)時間が56.2分でした。男女別では、中高強度身体活動時間は男性が56.6分、女性が55.7分とほぼ同等でしたが、低強度身体活動時間は男性が297.4分(5.0時間)、女性が376.4分(6.3時間)となり、女性の方が約80分長い結果となりました。

座位行動時間の中央値は全体で531.5分(8.9時間)であり、成人の男性は540.5分、女性は523.9分でした。年代別にみると、男女ともに20歳代が最も長く約560分(9.3時間)に達しています。歩数の中央値は、成人の男性が7,317歩、女性が6,619歩でした。

高齢者(65歳以上)においても、低強度身体活動時間は男性294.2分、女性381.5分と女性が約90分長く、中高強度身体活動時間は男女とも約43分でした。座位行動時間は男性537.5分、女性490.8分、歩数は男性5,719歩、女性5,163歩でした。

厚生労働省の推奨身体活動量の達成状況

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」において、成人(20~64歳)は1日60分以上(1日約8,000歩以上、週23メッツ・時以上に相当)、高齢者(65歳以上)は1日40分以上(1日約6,000歩以上、週15メッツ・時以上に相当)の中高強度身体活動を推奨しています。

本調査で推奨身体活動量を満たした人の割合(達成率)は全体で47.7%でした。成人では45.1%(男性46.0%、女性44.1%)、高齢者では55.0%(男性53.3%、女性56.6%)となり、高齢者が成人を9.9ポイント上回りました。

運動・スポーツの実施状況別にみると、推奨量の達成率は運動・スポーツ実施者で58.6%、非実施者で40.2%でした。成人における推奨量の達成率も実施者で56.7%、非実施者で38.4%でしたが、運動・スポーツ実施者であっても43.3%が推奨量を満たしていませんでした。

居住周辺環境と身体活動への影響

居住周辺環境について「自動車なしで生活することが難しい地域か」という視点での集計も行われました。

推奨身体活動量の達成率は、自動車なしで生活することが難しい地域(あてはまる群)で44.3%、難しくない地域(あてはまらない群)で52.4%となり、難しい地域の方が8.1ポイント低くなりました。成人に限ると、自動車なしで生活することが難しい地域の達成率は41.6%にとどまりました。

笹川スポーツ財団の松下 由季シニア政策オフィサーは、運動・スポーツ非実施者でも約4割が推奨身体活動量を満たしていることから日常生活の身体活動も重要であるとし、今後のスポーツ政策では実施率だけでなく身体活動量にも着目して座りすぎを減らせる環境を整えることが重要だと述べています。また、明治安田厚生事業団 体力医学研究所の川上 諒子副主任研究員は、特に女性において歩数に表れにくい低強度の身体活動を長時間行っている傾向が示された点に触れ、今後もデータ解析を進めて国民の健康増進に役立つ知見を発信したいとしています。

調査の概要

  • 調査対象:層化二段無作為抽出法を用いて全国47都道府県から年度ごとに抽出された200地点における満20歳以上80歳未満の男女(2024年度5,400名、2025年度6,000名)
  • 調査方法:郵送法(土・日曜日を含めた合計7日間にわたり三軸加速度センサーを搭載した活動量計の装着を依頼、生活習慣等は質問票で回答)
  • 調査時期:2024年11月および2025年11月
  • 解析対象者:2,459名(2024年度1,105名、2025年度1,354名)
  • 集計方法:国勢調査の人口構成に基づき、性別・年代・都市区分による重みづけを実施

本記事は公益財団法人 笹川スポーツ財団および公益財団法人 明治安田厚生事業団の発表をもとに作成しました。

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