プラネットセンスとフィッシュパス、環境モニタリング分野で業務提携MOU締結
プラネットセンス株式会社と株式会社フィッシュパスは、環境DNA技術とオフグリッド環境向けセンシング技術を活用した環境モニタリング分野での協業に向け、業務提携に関するMOU(基本合意書)を締結しました。両社は今回の取り組みを「プラネットパスプロジェクト」と位置づけ、生物の生息把握と現場観測の情報を組み合わせることで自然環境を立体的に捉えることを目指します。熊などの獣害対策や急激な環境変化を含む自然環境・養殖環境の状況把握への活用を検討し、自治体や企業、研究機関へ役立つ情報を提供する方針です。

協業の背景とプロジェクトの狙い
両社は総務省「ICTスタートアップリーグ」の採択企業として、それぞれ環境DNAおよび広域センシング領域の研究開発を進めてきました。同プログラムを通じた接点をきっかけに、異なる角度から環境情報を捉える補完関係にあることから協業に向けた合意に至りました。
野生動物の生息状況や水域環境の適切な管理には生物情報と現場の変化を捉える情報の双方が有効ですが、山間部や森林、広大な水域では電源や通信環境の制約、調査にかかる人手や時間が課題となっています。両社は異なる強みを組み合わせることで自然環境の多角的な把握を進めるとともに、国内外での実証可能性を検討し、東南アジアを含む環境・水産・獣害等の領域において共同で事業機会を探索するとしています。
両社が持つ技術と事業基盤
プラネットセンス株式会社は、省電力センサーや少ない電力で長距離通信を行う「ELTRES」の活用技術、データ集約・分析を行う「Sens Platform」を備え、既存のインフラに依存しにくいオフグリッド環境での観測に強みを持ちます。さらに画像圧縮技術「C-PICX」やデータ修復技術「D-TRIP」の研究開発を進めており、2026年度には動物の検知情報や撮影画像を圏外から遠隔地へ届ける仕組みの実証を目指しています。
株式会社フィッシュパスは、水や土壌、空気などに含まれる微量なDNAを調べる環境DNA分析サービスを提供し、魚類を中心とした調査実績を有しています。2025年度にはツキノワグマを対象とした実証を行い、檻やわなの設置場所選定や生息調査に活用しました。福井県立大学内の分析センターや大学との研究連携、全国の内水面漁協とのネットワークを持ち、今後は水域から土壌・空気へと対象を広げる「マルチ環境DNA分析」の確立や、衛星・地形データと機械学習を組み合わせた生息適地推定などを計画しています。
技術の連携イメージと今後の展望
今回の協業では、環境DNAの調査結果をもとに重点観測場所を選定し、現地のセンサーやカメラから得られる情報と併せて生息状況を分析するといった活用が想定されています。また、豪雨や河川増水時には上流域や水域の変化をセンサーや画像で捉え、その前後の変化を環境DNAで確認するなど、水産・養殖分野での活用も検討されます。
今後は獣害対策や水域・養殖環境のモニタリング、生物多様性の状況把握を対象に国内外での実証可能性を検討していく計画です。海外展開においては、株式会社フィッシュパスが東南アジアでの展開を計画しているほか、プラネットセンス株式会社の創業メンバーが関わった前身プロジェクトがタイ・チェンマイで森林火災の早期検知実証を行った知見を活かすとしています。また、環境モニタリングに課題を持つ自治体・事業者・研究機関等との実証や連携も進められる予定です。
各社概要
- プラネットセンス株式会社
- 代表者:代表取締役CEO 木村 学
- 所在地:千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目 6 m BAY POINT幕張低層棟2Fリージャス幕張センター
- 設立:2025年11月
- 事業内容:省電力センサー、長距離通信、データ分析基盤を活用した広域センシングソリューション
- コーポレートサイト:https://www.planetsens.com/
- 株式会社フィッシュパス
- 代表者:代表取締役 西村 成弘
- 所在地:福井県坂井市丸岡町熊堂3-7-1-16 福井県産業情報センター6F
- 設立:2016年10月21日
- 事業内容:デジタル遊漁券アプリ「フィッシュパス」の企画・開発・運営、環境DNA調査事業
- コーポレートサイト:https://fishpass.jp/
本記事はプラネットセンス株式会社および株式会社フィッシュパスの発表をもとに作成されています。
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